Linux搭載の面白い機器は,海外にある――。以前は,携帯情報端末「Zaurus」,玄箱や白箱などのネットワーク型ハードディスク・キット,コレガの箱型のLinux搭載機器「CG-LBSTD2PU」など,国内でLinuxを搭載したさまざまな機器が,次々に発売されていた。これらの製品の改造やカスタマイズ,組み立てを楽しんだユーザーも多いだろう。
ここ最近,国内で発売された,このような機器はほとんどない。しかし,日経Linuxの読者調査を見てみると,市場がなくなったわけではない。逆にデスクトップOSやサーバーOSとしてのLinuxよりも注目を浴びている。
もし,Linux搭載の面白い機器が欲しい,情報が知りたいのなら,日本ではなく海外に注目すべきと考える。海外では,目新しい,さまざまな種類のLinux搭載製品が続々と登場しているからだ。
サーバーからMIDまで種類はさまざま
一般的に面白い電子機器を「ガジェット」と呼ぶ。日経Linuxでは,これまで多くのLinux搭載ガジェットを扱ってきた。フワフワした目覚まし時計のような「chumby」(チャンビー,写真1),電源アダプタ型のコンピュータ「SheevaPlug」(シーバプラグ,写真2)やシングル・ボード・マイコン「Beagle Board」(ビーグル・ボード,写真3)などである。
SheevaPlugは,CPUの動作周波数が1.2GHz,メイン・メモリーが512Mバイト,USB2.0対応のポートを1つ備えており,小規模なサーバーとして稼働させるには十分なスペックである。また,Beagle Boardは,キーボードやモニターなどを接続し,超小型パソコンとして利用できる。どちらも改造やカスタマイズすることを目的に作られている。
さらに,日経Linux 2009年9月号(8月8日発売)で紹介する「SmartQ」(スマートキュー,写真4)がある。中国発のLinux搭載MID(モバイル・インターネット・デバイス)だ。
SmartQは,手のひらサイズで,重さが160グラム。OSには,人気のLinuxディストリビューション「Ubuntu」を採用している。パソコン用のUbuntuとほぼ同じであるため,そのままの状態で好きなアプリケーションを簡単にインストールできる。もちろん,別のLinuxにも入れ替えられる。
海外から購入しなければならない
このように,海外には興味をそそられるLinux搭載ガジェットが複数ある。しかし,実際に購入したいと考えると,尻込みしてしまうことが多い。現状,これらの製品を販売する国内代理店や,日本語による通販サイトは少ない。chumby(購入先:chumby日本公式サイト)とBeagle Borad(購入先:Digi-Key.com)なら日本語で購入できる。ほとんどの場合,海外のオンライン・ショッピング・サイトなどからの購入となる。
ちなみに,SheevaPlugとSmartQの購入先の例は次の通り。
- SheevaPlugの購入先:Globalscale Technologies
- SmartQの購入先:DealExtreme
英語が苦手だからこそ海外通販は楽しい
海外のオンライン・ショッピング・サイトを利用する上で一番の課題は,英語だろう。ショッピングの手順などは,国内のショッピング・サイトとあまり変わらない。
筆者は英語が得意ではない。しかし,英語ができないからこそ,ここ1~2年,海外のオンライン・ショッピング・サイトでの製品購入や,海外のホテル予約が楽しい。代理店を通すよりも安く購入できたり,製品が自宅に届いたときに感動したりするからである。
オンライン・ショッピング・サイトの場合,会話と違ってすぐに受け答えをする必要はない。十分調べてから必要な情報を入力すればよい。筆者の場合,Googleツールバーの「ページを日本語に翻訳します」と「エキサイト翻訳」を利用し,和訳や英語の文章作成を行っている。
海外発のLinux搭載ガジェットは,今後も登場してくると予想されるため,一度は海外のオンライン・ショッピング・サイトの利用を経験しておくとよいだろう。