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記者の眼

ホワイトカラー職場改善のカギは「脱パソコン」

上木 貴博=日経情報ストラテジー 2009/02/26 日経情報ストラテジー

 「日経情報ストラテジー」2009年4月号に『人減らしより人活かし ホワイトカラーの生産性を高めよ』と題した特集を執筆した。4社の事例で構成しているが、そのうち三井ホームを除く3社の章に「パソコン」という単語が登場している。

 キリンホールディングスの取り組みは「ユニファイドコミュニケーション」についてなので、パソコンが出てくるのは当たり前だ。ユニファイドコミュニケーションはご存じの方も多いと思うが、電話やメール、メッセンジャー、テレビ会議システムなど複数の機器やアプリケーションを組み合わせて最適な情報共有・伝達の仕組みを実現することをいう。

 特集でほかに取り上げたのは、半導体製造装置大手のアドバンテストと老舗食品メーカーのタマノイ酢(堺市)である。両社の取り組みも「脱パソコン」という共通点があることに、記事を書き上げてから気づいた。

チームワークを取り戻す

 アドバンテストは「技術KI計画(以下、KI)」という改善手法に基づき、職場にチームワークを取り戻した。取材した開発部門のある課長によると「かつては朝出社してから夕方まで1人でパソコンの前に向かっていて、ほとんど誰とも話さなかった」という。KIに取り組んでからは、職場ごとで毎日話し合う時間を持っているので、余裕があるメンバーが同僚を助けたり教えたりする機会は以前より増えた。

 1990年代から「パソコンは社員1人に1台ずつ」という普及期に入り、業務効率は飛躍的に上昇したはずだ。その半面、社員同士が意見を自由に交換し合う「ワイガヤ」が減ったという声は大きい。ワイガヤの喪失は再び生産性や創造性の欠如へと跳ね返っている。

 KIでは、話し合いの内容を模造紙に付せん紙を張りながらチーム全員がお互いの進ちょくを確認する。設計業務でパソコンでの作業を無くすのは不可能だが、チームワークを取り戻せたのは「脱パソコン」の効用だろう。
 
 一方、タマノイ酢は2006年に本社の新社屋を建てた時点から「脱パソコン」、より正確に言えば「脱・個人パソコン」のワークスタイルを実践している。各社員は個人用のパソコンもアドレスも持っていないのだ。パソコンは各フロアごと、アドレスは部署ごとに共有している。

 調べ物をしているうちに無関係なウェブサイトを見ていたり、メールが来たので反射的に返信したりしているうちに優先順位が高い業務を後回しにしてしまうということは珍しくないだろう。他の社員とパソコンを共有していると、パソコンの前に座るときは特定の業務を一気に終わらせる、という目的意識を持てるようになる。「ついつい…」といったことはなくなる。

 今や外回りの営業担当者に至るまでパソコンを持つ時代だ。その効果的な使い方について学べる取材は多いが、「いかに使わないか」という視点に立てたのは新鮮だった。ウェブ媒体にこうした趣旨の記事を書くのは矛盾しているかもしれないが、個人や自部門の業務改善を進める際に興味深いチェックポイントになると思う。

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