事務所でも家でもない場所での原稿執筆を検討中

 若手には「確かに家で仕事をするというのは善し悪しというか,悪し悪しですね。ただ,原稿は静かな所でないと書けないのですが」と返信した。以前は,事務所の会議室に隠れて原稿を書いていたが,最近はどの会議室も使用中なので,自宅に引きこもって原稿を書くことが多い。前回の原稿も今回のこの原稿も,自宅で執筆した。

 しばらくして同じ若手記者からまたメールが来た。近く,異動になるという。

 今,使っているノートPCは編集部に買ってもらった物なので,異動に伴い,置いていかざるを得ません。次の編集部で「ノートPCを購入するように」と言われそうですが,何とか避けたい気分です。もっとも,ノートPC無しというのはありえないと思いますが。

 「メールは社内でしか見ない」記者であるから,「原稿は社内でしか書かない」という方針にすれば,ノートPCは不要ではないか。どうなったのか,気になって聞いてみたところ,やはり「ノートPC無しというのはありえない」ことだったらしく,「自分でノートPCを購入した」という返信が来た。

 部署移動と同時に,話題のEee PCを購入しました。ただ,移った先の編集長から「編集部のノートPCを使ってもらってよかったのに」と言われ,ちょっと損した気になっています。
 Eee PCは,容量が実質4ギガバイトしかないので,仕事に必要最低限のアプリケーションしか入れられず,谷島さんのコラムで書かれていた状態に陥らずに済むかな,とも思っています。
 そこで,「外出先で記事執筆」「どうしてもの時にメール確認」「プライベートでのウェブ閲覧」の三点にしか使わない,というEee PCの限定利用法を制定してみました。うまく法を遵守できればいいのですが。

 「外で執筆」「メール確認」「ウェブ閲覧」の三点は以前,筆者が期待した「物書き専用機」の仕様である。そこで若手記者に,「下記の駄文もあります」とメールを送り,『インテルAtomは“物書き専用機”を生めるか』というコラムを紹介した。このコラムの中には,NECが以前販売していたモバイルギアの話が出てくる。またまた記者から返信が来た。以下の返信の中に出てくる「(コラムに登場する)本文中の中堅記者さんの話」とは,「パソコンよりはるかに携帯性に優れるマシン上でパソコンと同様のフルブラウザを使いたい,というニーズがかなりあるようです」という発言を指す。

  モバイルギア,懐かしいですね!僕も昔,中古機を購入して使っていました。本文中の中堅記者さんの話には全く同感で,もっと言うと今の携帯電話にびよんと3Dの仮想ディスプレイとキーボードが出てきて,それでパソコンと同等のことができる,というのが僕の理想とするマシンです。
 そんな未来型(?)のノートPCないし携帯電話を夢見ている一方,「最低限の仕事をするためのもの」とか言いながらEee PCという物書き専用機を手に入れてしまったわけで,実は自分から仕事漬けの生活を望んでいるのか,と考えてしまいました。結局,自分はノートPCが大好きのようです。

 残念なことに,デスクトップPCについて,メーカー各社は自社の特徴を出しにくくなっている。しかしノートPCや最近登場した低価格ノートPCについては,まだ工夫の余地がある。繰り返しになるが,メーカー各社は面白いノートPCをどんどん投入頂きたい。自宅で原稿を書いていると家族から大変不評なので,若手記者を見習って,ノートPCを買い,「限定利用法」を遵守しつつも積極的に持ち歩き,事務所でも家でもない所で原稿を書いてみようかと考え始めている。