前回，このコラムで予告（記事はこちら）させていただいたが，2008年7月1日にITpro Searchをリニューアルした。今回のリニューアルでは検索結果の表示方法を大きく変えた。そこで，Google検索アプライアンス（以下，GSA）をITpro Searchでどのように組み込み直したかを紹介しよう。
今回のリニューアルにおける技術的な変更点は大きく2つ。(1)検索結果の表示にAjax技術を導入したこと，(2)metaタグで記事の属性情報をGSAに読み込ませ，それを検索結果の表示や検索条件に利用するようにしたこと，である。
Ajaxを活用し，記事ジャンル別の検索結果も同時に表示
ITpro Searchの実装で，１つ目の大きな変更がAjaxを利用して検索結果を表示するようにしたこと。従来，GSAを使ったITproの検索では，GSAのサーバー上で検索結果のhtmlページを生成し，表示していた。これを，GSA上ではhtmlページの代わりに，テキスト・ベースのJSONP形式で検索結果を返すように変更し，JavaScriptにより検索結果を表示するようにした。
Ajaxを利用した理由は，検索されるユーザーの方の利便性を高めるためである。ITpro Search（あるいは，各ページ右上の検索窓）から検索すると，左側にはユーザーが指示した検索結果を表示するだけでなく，右側に記事ジャンル別の検索結果も表示する。これにより，他のジャンルの記事によって，目的のジャンルの記事が埋もれてしまうことが少なくなることを狙っている。
これができたのも，GSAの検索の速さに依存している部分が大きい。何しろ1回検索すると，裏では記事ジャンル別の検索を合計12回も同時に行う必要があるからだ。処理上は，まず左側の検索を行い結果を表示してから，右側の記事ジャンル別の検索を行うようにしているので，同時にたくさんの検索を実行するからといって，目的の検索結果が表示されるまでに余計に時間がかかるということはないように工夫している。
ちなみに，ジャンル別の検索結果の上に表示している「『○○○』とは」の欄は，ジャンル別検索結果の特殊形。検索ワードとタイトルが一致するキーワード記事あるいは辞書の記事の一覧を表示している。用語の解説記事を検索したい方に向けた機能である。
掲載日でのソートや絞り込みに対応する
ITpro Searchのリニューアルでポイントとなったのが，metaタグにより記事の属性情報をGSAに読み込ませられるようになったことである。前回もこのコラムで書いたが，これによりGSAで記事の属性情報を活用できるようになった。
その1例として，検索結果を新着順にソートできるようになった。それに伴い，検索結果の標準のソート順を新着順に変更した（検索結果の表示順で「ITproオススメ順」を選ぶと従来通りの表示順となる）。
具体的な実装としては，記事のWebページに記事掲載日の情報として
<meta name="ArticleDate" content="2008-07-14">
というタグを埋め込んでおき，GSAには“ArticleDate”で示される日付でソートするように設定している。
同時に掲載日による記事の絞り込みも可能になった。従来，掲載日を条件に含めた検索は，別の検索エンジンを使った「プレミアム検索」で提供していたが，今回からGSAによる検索機能に一本化できた。
実は，“ArticleDate”をmetaタグとして組み込む際に，掲載時刻も一緒に読み込ませて，時刻まで含めてソートできないかを試みた。だが，うまくゆかず，結局掲載時刻までmetaタグに含めることはしなかった。
このほかにも，metaタグを活用しているところがいくつかある。わかりやすいところでは，検索結果の表示部分のほとんどにmetaタグでGSAに読み込ませた記事の属性情報を使っている。これにより，連載記事の連載タイトルや特集記事の特集タイトルなどが表示できるようになった。従来は途中で切れてしまうことのあった記事タイトルも，フルに表示できるようになった。
このような改善を行ったITpro Search。従来よりも，検索結果から目的の記事を探しやすくなったと考えている。ITproの記事を検索する際には，ぜひ一度試してみてほしい。
