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記者の眼

ウワサの199ドルPC,Linux版が消えてしまうのか?

齊藤 貴之=日経Linux 2007/12/10 日経Linux
写真●台湾ASUSTeK Computer社のEee PC
写真●台湾ASUSTeK Computer社のEee PC
[画像のクリックで拡大表示]

 2007年10月,台湾で発売された低価格がウリのノート・パソコン「Eee PC」(写真)をご存知だろうか。7型液晶を採用し,B5サイズを一回り小さくしたくらいの携帯型ノートである。6月に開催された「COMPUTEX TAIPEI 2007」で初お目見えし,“199ドルで販売する”といわれていた台湾ASUSTeK Computer社の製品だ。

 このパソコン,海外で大変な人気を集めているようだ。台湾,香港,北米などで既に出荷が開始されたが,店頭で行列ができる光景をテレビなどでご覧になった方もいるだろう。最大の魅力は,“安さ”だが,「安かろう,悪かろう」ではない。性能や機能も決して低くないのである。

 例えば,CPUには,900MHzで動作する米Intel社のCeleron M 353を搭載する。このCPUは,2004年7月に発表された古い世代のCPUだが,消費電力(TDPが7W)は小さく,上位のPentium Mと同じコア(Dothan)を採用して性能もさほど低くない。低価格パソコンの定番であるIntel互換プロセッサでないことも評価できる。

 ハード・ディスクの代わりに,フラッシュ・メモリーを積んでいる。容量はモデルによって異なり,下位モデルには2Gバイト,中堅の2モデルには4Gバイト,上位モデルには8Gバイトとなっている。ハード・ディスクを搭載すれば,どんなに容量が小さいタイプを選んでも,1台当たりのコストはアップする。また,消費電力が大きくなり,耐衝撃性を高めたきょう体にしなければならない。フラッシュ・メモリーを採用することは贅沢に思えるが,コストを抑えられ,可搬性や省スペース性,静音性に優れる。

 メイン・メモリーの容量も,格安ノートとは思えないほど十分といえる。下位モデルは256Mバイトだが,中堅の2モデルが512Mバイト,上位モデルが1Gバイトである。これに加え,上位モデルと中堅の1モデルには,Webカメラ機能も備わる。

 こうしたコスト・パフォーマンス,つまり価格性能比が高いという特徴を生かせば,国内でもブレイクする可能性は高いとみている。

Linuxの採用が魅力を増大させた

 筆者は,このノートはOSにLinuxを使ってこそ,その真価を発揮すると考えている。

 Eee PCの4モデルのうち,安い方から3つまではLinuxを採用している。具体的には,LinuxをベースとしたオリジナルのOSである。Windowsを採用するより,コストを低く抑えられる。上位モデルは,Windows XPを採用する。

 Linuxを採用するモデルは,WebブラウザにFirefox,メール・クライアントにThunderbird,オフィス・ソフトにOpenOffice.orgなど,無償で利用できるオープンソース・ソフトを多数搭載している。これだけあれば,日常の利用で困ることはないだろう。安さが生きるわけである。

 Eee PCのディスプレイは,800×480ドット表示と狭いが,Linuxを採用したモデルでは,写真のように大きめのアイコンを配したランチャ・ソフトやオリジナルのアプリケーションを用意。不便な部分が少なくなるようにしている。

 このようにEee PCは,このスペックとLinuxをベースとしたOSの組み合わせによって,真価を発揮できる製品になっている。ところが,12月に入り,国内ではこの魅力を出し切れない状況が起きそうになった。

 筆者は2007年11月上旬時点で,非公式ながらEee PCにかかわっている関係者から「下位モデルを除く3モデルが国内で出荷され,価格は4万円,5万円,Windows XPを搭載するモデルが6万円前後になる。出荷は2008年2月」という情報を得た。この時点で,Windows XP搭載モデルは,その下のLinux搭載モデルより「1万円」高かったわけである。

 ところが,状況が変わる。11月12日,海外ニュース・サイトの「Forbes.com」が,「ASUSTeKと米Microsoft社は,Eee PCユーザーに対して,40ドル以下でWindowsを販売することに同意した」と報じたのだ。つまり,40ドルを支払えば,Windowsが手に入るというわけだ。

 国内でも,Windows XPを40ドルで追加購入できるのか。あるいはWindows搭載モデルがもっと安くなるのか。ブログなどでさまざまなウワサが飛び交ったが,ASUS東京事務所はこの件に関して「コメントできない」としている。

 しかし,12月になると「Webカメラ付きの中堅モデルにWindows XPを搭載して,5万4800円程度で販売する計画がある」という情報を得た。さらに,別の関係者は「日本語化されたLinux版の国内投入の話がなくなりつつある」という。全く同じハードウエアで,Windowsのライセンス付きが5000円程度の差で購入できれば,積極的にLinux版を選ぶユーザーは少なくなるからだろう。

 しかも,出荷開始時期が,当初予定の2008年2月から,年明け早々に早まりそうというのだ。当初の国内の出荷予定は,Linuxの日本語化などの作業に合わせたものだった。Linuxを日本語化し,日本語キーボードに入れ替えるために,2008年2月後半以降に出荷するとしていた。日本語化の必要がないWindows XPなら,出荷が早まるというのだ。

 もし,これが事実なら,筆者は残念で仕方が無い。Eee PCの魅力は,Linux版を搭載したモデルにあると思っているからだ。インターネットやメールのやり取りを行うだけであれば,Windowsユーザーでも,Linux版を使って戸惑いは少ないだろう。さらに,中堅モデルのWindows版にオフィス・ソフトのMicrosoft Officeを導入すると,フラッシュ・メモリーの空き容量が500Mバイト以下と少なくなってしまう。中堅や下位のモデルでオフィス・ソフトを快適に利用できるのは,Linuxだからだ。

 なお,日経Linuxの2008年1月号では,Eee PCの北米モデルを使って,日本語の入力や汎用のLinuxディストリビューションへの入れ替えといったカスタマイズを行うレポート記事を掲載している。参考にしてほしい。

■変更履歴
取材先からの要望により,国内市場に関する記述(小見出し以下,6段落目と9段落目)を修正いたしました。 [2007/12/10 20:00]  出荷済みの地域からインドを削除しました。 [2007/12/19 21:10]

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