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情報漏洩対策だけではないブレードPC/WSのメリット

2007/05/14
宮崎 昌弘=ITpro

 先月,日本ヒューレット・パッカード(HP)からブレードワークステーション(ブレードWS)が発表された(ニュース記事はこちら)。これは,特にグラフィックス機能が強化されたブレードPCと言えるもの。CADや金融業のトレーディングといったある程度グラフィックス性能の求められる用途でもシンクライアントが利用できるようになったわけだ。そこで,改めてシンクライアントを導入する意味を考え直してみた。特にシンクライアントのパフォーマンスとサーバーを含めた運用管理の面に目を向けてみたい。

 実際にアプリケーションが動作するブレードPC/WSはシステムセンターなどに集約でき,ユーザーの手元にはLANなどの回線経由で画面やキーボードの入出力情報をやり取りするシンクライアントだけが残る。ブレードPC/WSが集約できると,分散配置されていた各種サーバーもクライアントの配置に合わせて集約できることになる。したがって,シンクライアント・システムでカバーできる用途が広がるほど,より多くのサーバーも集約可能になる。

 ブレードPC/WSとサーバーを1つのセンターに集約できれば,より運用管理しやすくなるうえ,同一LAN上にあればクライアントからサーバーへのアクセスが高速になることが期待できる。日本HPによると実際,海外ではパフォーマンスが向上した事例があるという。さらに,ブレードPC/WSとサーバーをそれぞれブレードとして,1つのエンクロージャーに収容できれば,さらに高い効果が期待できるだろう。

 しかし,CADなどで利用する場合,ユーザー側の端末とブレードPC/WSとの距離が離れることでレスポンスが悪くなり,それほど集約できないのではないかと思われるかもしれない。だが,日本HPによると,ブレードPC/WSでシンクライアントシステムを構築する場合,ユーザー側の端末とブレードPC/WSまでの距離は問題にならず,回線による遅延が50ms以下にできれば気にならないという。これは利用するプロバイダーを統一するなどすれば達成できるという(国内利用の場合)。

 また,ストリーミング映像も表示でき,帯域さえ十分に確保できればハイビジョン動画にも対応できるという。つまり,ネットワークさえきちんと構築できれば,国内で1カ所のセンターに集約することができ,動画にも対応可能なわけだ。

 もし,シンクライアントで利用した方が高いパフォーマンスで利用できるとなれば,別の使い方も想定できる。たとえば,モバイルワークステーションなどを利用している場合,ネットに接続してブレードPC/WSを利用できる場合はモバイルワークステーションをシンクライアントとして利用し,出先などでシンクライアントとして利用できない場合はモバイルワークステーションとして利用するといった使い方だ。出先で処理の重いソフトを利用する機会の多いユーザーに向いている。

 一般に,シンクライアントというとクライアントの情報漏洩対策といったセキュリティ面に注目が集まりがち。それ以外でも,これまでは主にクライアントの運用管理面のメリットが強調されてきたところがある。シンクライアントを検討する際には,クライアント部分だけに目を向けず,ネットワークを含めたシステム構成の見直しも合わせて検討したい。

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