覚えている方も,もしかしたらおられるかもしれないが,以前,この欄で「SE川柳」で楽しみましょうという記事を掲載した。「ふざけるなといったおしかりばかりで作品は全然来ないかも,と内心ドキドキだった」という執筆者の不安をよそに,151句もの投稿をいただいた(「SE川柳」大公開!)。

 この企画には,投稿とは別に「面白い企画だ」「がんばれ」とのありがたい声も多く寄せられた。続編をやろうか,という話も出たようなのだが,執筆した日経システム構築の杉山裕幸編集長(現・日経SYSTEMS編集長)が多忙を理由に(?)そのままになっていた。その後,陽の目を見ることなく,お蔵入りにしてしまっていた。

 これはもったいない,ということで,部下である私が志を引き継ぎ(?),同じ場を借りて第2弾を実施することにした。ただ,全く同じことをやっても面白くないので,今回はテーマを絞りたい。今回のテーマは「プロジェクトマネジメント(PM)」である。

 実はこれには伏線がある。日経SYSTEMS4月号から好評連載している「のとはら先生のPM道場」では,骨休めの意味を込めて読者からPM川柳を毎号募集しており,面白い作品が多く寄せられている。PMには,ネタになるテーマがたくさんあるということだと思う。その企画をITproでも展開してみようと思うのである。

 能書きはこれくらいにして,これまでに寄せられたPM川柳の中から,面白いものを何句か紹介しよう。

同じ島 隣は何を する人ぞ(freitag)

 いくらリスク・マネジメントの仕組みを整えても担当者に問題を抱え込まれてはプロマネも手の下しようがありませんね。コミュニケーションが大事と言われる一方,現場の雰囲気は最悪。皆,黙々と仕事に励んでいるようです。そんな現場を芭蕉の名句になぞらえた作品です。そんな現場をマネジメントするプロマネの愚痴もまた目に浮かぶようです。

さあー行くぞ あれれ俺だけ 浮いている(りゅうた)

 あれれ,時間通りに来ないの? あれれ,何も報告はないの? あれれ,資料を作っていないの? あれれ,俺だけ浮いている? ――やる気満々なのに,周りの人がついてこない。情熱が空回りしてしまう本人のやり方にももしかしたら問題があるのかもしれませんが,それでも頑張る人を私は応援します。

さぁ帰ろう トラブル夕方 やってくる(喧々ガウガウ)

 帰りたいのに帰れない。PM川柳で人気のテーマ(?)がこれです。ほかに「最初から 土日を入れた スケジュール」「夏休み バカンス先は サーバ室」なんていう嘆きの投稿もあります。

お守りで 明日の進捗 神頼み(永尾完治)

 PM川柳の最優秀作品を投稿いただいた方には日経SYSTEMS特製「プロジェクト成功祈願御守を差し上げています。私の机の上にも,赤と青,二つのお守りを飾ってあります。永尾完治さんは第1回の最優秀作品をお送りいただいた方なのですが,同じように飾っていただいているのでしょうか。

 ご投稿いただいた作品はITproで紹介すると共に,独断と偏見で選ぶ最優秀作品は日経SYSTEMSの誌面でも紹介したい。


      PM川柳

雅号(ペンネーム)


* 最優秀作品は日経SYSTEMS誌面でも紹介させていただきます。その際“プロジェクト成功祈願御守”のプレゼントを希望される場合は,こちらから投稿してください。

 最後に私の希望を一つだけ。できるだけ苦境を笑いに変えてしまうような作品を期待します。PMはマネジメントする側もされる側も皆大変ですが,そんな苦境を笑い飛ばす心の余裕を,同じ業界で働く者同士で共有できないかなと思います。