オープンソースとして配布されているAjaxデスクトップ eyeOS のログイン直後の画面。上部にアプリケーション・アイコンが見える
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オープンソース Ajaxデスクトップ eyeOS。様々なアプリケーションを起動したところ
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 AjaxでWebブラウザ上にデスクトップ環境を実現するアプリケーションが,まさに爆発的と形容できるほど立て続けに登場している。ほとんどが海外で開発されたものだが,日本語版が提供されたものも現れた。Ajaxデスクトップを持つSNSを開発した日本の企業も出てきている。またオープンソースとして配布されているものもある。

 Web 2.0という言葉の発信者の一人,Tim O'Reilly氏による論文「What Is Web 2.0」は「The Web As Platform(プラットフォームとしてのWeb)」という第一章から始まる。

 Webブラウザ上のデスクトップ環境は,この「プラットフォームとしてのWeb」をつきつめれば,必然的に辿り着く形態であるとも言える。だが,このようなデスクトップ環境は,コスト(開発コストや実行性能のコスト)に見合う閲覧効率や操作効率の向上をもたらすのだろうか。百聞は一見にしかず,実際のAjaxデスクトップを見てみよう。

オープンソースとして公開されたeyeOS

 これらのデスクトップ環境は,2種類に分類できる。徹底的にデスクトップOSを再現することを狙ったものと,マルチウインドウにより個人ポータルの実現を狙ったものだ。

 前者のデスクトップOSの再現を狙ったものには,eyeOS,YouOS,StartForce,FlyakiteOSXなどがある。

 オープンソース・ソフトウエアとして配布されているWebデスクトップeyeOSを見てみよう。LinuxやWindows上サーバー上で動作するソースコードが公開されており,またインストールしなくとも試してみることができるデモサイトもある。

 ログインし,壁紙の上のアイコンをクリックすると,アプリケーション・ウインドウが起動する。ウインドウはマウス操作で移動したり拡大させたりすることができる。アプリケーションにはチャット,エディタ,計算機,カレンダーなどがある。壁紙を好きな画像ファイルに取り替えたり,テーマと呼ばれるルック&フィールを変更することも可能だ。

 APIも公開されているため,三十種類以上の様々なアプリケーションが開発されている。eyeOSのアプリケーション・カタログを見ると,HTMLエディタやBlog,描画ソフトやRSSリーダー,付箋,YouTube検索など,様々なアプリケーションが登録されている。ゲームも多数開発されており,中には日本で名付けられたパズル・ゲームである数独もある。

 YouOS,StartForce,FlyakiteOSXは,さらに細部まで忠実にデスクトップOSを再現しようとしている。

【訂正】
掲載当初「中には日本生まれのパズル・ゲームである数独もある」と記述しておりましたが,正しくは「日本で名付けられたパズル・ゲームである数独」です。お詫びして訂正いたします。[2006/08/09]