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オープンソース/Linux

記者の眼

日経Linux

無償だけど安定稼働するLinux OSを知ってますか

2006/06/06
麻生 二郎=日経Linux

 Linuxを用いれば,サーバーを安価に構築できる。他人に頼らずLinuxを使いこなせるなら,小規模オフィスや個人用には,多くのサーバー・ソフトが無償利用できるLinuxを選択すべきだ。ただし,Linuxには複数の種類(ディストリビューション)があるため,どれを使うかが重要な問題になる。

 筆者は1年くらい前からノートPCを用いて,自宅でサーバーを構築している。サーバーの主な用途は,メンバー向けツーリング・クラブ・サイトの運営である。利用者が限られるため,同時アクセス数も大したことがない。そのため,ハードウエアはノートPCで十分だ。

 しかし,Linuxのディストリビューションには信頼性や安定性を重視したものを選択している。なぜなら,平日は会社で遅くまで仕事しているし,休みはツーリングなどで出かけることが多い。外出中に,サーバーが停止することや,第三者からのサーバー攻撃で踏み台にされることを防ぎたいからだ。

 具体的には「CentOS(Community ENTerprise Operating System) 4.3」という無償のLinuxを使用している。このLinux,知名度はあまり高くないが,個人的にはかなりお勧めなのである。

 CentOS 4.3は,「Linux」という名前こそ付いていないが,れっきとしたLinuxである。米Red Hat社の有償ディストリビューションである「Red Hat Enterprise Linux 4 Update 3」(以下,RHEL4)のソース・コードを,GNU GPL(General Public License)というライセンス規定に沿って修正・改変したもの(クローンOS)である。基本的に,RHEL4のソース・コードからRed Hat社のロゴやデザインなど,商標等にかかわる部分を取り除き,コンパイルしてインストールCDにまとめている。こうすることで,RHEL4との互換性を維持しながら,GNU GPLの規定により自由に配布できる。

 無償で配布されているLinuxディストリビューションでは,「Fedora Core」や「SUSE Linux OSS」などが有名だ。だが,これらは最新機能をいち早く採用することを目的として開発されているため,含まれているソフトの信頼性や安定性に関して少々不安がある。

 しかも,メジャー・バージョンの期間が短すぎる。新機能追加によるさまざまなバグが解決してきたころには,新版の開発に主体が移る。このため,開発コミュニティからのサポートがどこまで受けられるのかに不安がある。ちなみに,Fedora CoreやSUSE Linux OSSがバージョン・アップされる間隔は約6ヵ月であり,6ヵ月後には多くの仕様が異なる新版が提供される。

 その点,CentOSは新版の提供間隔やサポート期間がRHEL4とほぼ同一になる。RHELのメジャー・バージョンの提供間隔は,12〜18ヵ月である。さらに,重大なバグ・フィックスやセキュリティ対策のための更新ソフトウエアは,最初の版が提供されてから5年間は保障される。CentOSは,RHELと同一の更新ソフトウエアのソース・コードを基にしているため,RHELと同じような長期間に渡るサポートが開発コミュニティから得られる。

 バグ・フィックスやセキュリティ対策のためのソフトウエアは,yumコマンドというツールで更新する。yumを常時稼働させておけば,デフォルトで毎日午前4時2分に自動更新してくれる。実は,ツーリング・クラブ・サイトで最初に使い始めたバージョンは,CentOS 4.1だった。yumコマンドの自動更新で現在はCentOS 4.3へとマイナー・アップデートされているが,有償版のように安定稼働を続けている。

 有償のRHELは,2006年中には「Red Hat Enterprise Linux 5」という新版が登場する。CentOSも,RHELを追ってメジャー・バージョンの5.0が登場すると予想される。しかし,CentOS 4.0が最初に提供されたのは,およそ1年前の2005年3月。後4年は重大なバグ・フィックスやセキュリティ対策用の更新ソフトウエアが提供される。すぐに移行する必要はないだろう。

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