いよいよゴールデン・ウィークである。読者の中には既に休暇に入り,この記事をご自宅で読んでおられる方もいるかもしれない。
そこで連休期間中の“特番”として,今年1~4月における「記者の眼」のアクセス数ランキングを集計してみた。ここでは,特に多くの方に読まれた記事20本を紹介したい。
当欄の記事の多くは,日経BP社のコンピュータ/ネットワーク系媒体(エレクトロニクス系やパソコン系の媒体も含む)で活躍している記者が日替わりで執筆している。しかしランキングを見ると,一口にコンピュータ/ネットワークと言っても,媒体の性格や記者個人の問題意識などによって,テーマは実に様々だ。
第1位は技術者の“モチベーション”をテーマに取り上げた「ITエンジニアの『やる気』に危険信号」(1月19日,中山秀夫記者)である。年齢や立場に関係なく,ITエンジニアの日々の仕事にかかわる切実な問題であるだけに,読者から幅広い支持を集めた。
第2位は“Web2.0”と称される最近のネット企業のビジネスを巡る考察「いったいネットで何が起こっているんだ?」(4月12日,井出一仁記者)。そして第3位は,通信事業者の経営破綻を題材にユーザーの保護について考えた「平成電電破綻の理由と真のユーザー保護」(2005年10月17日,市嶋洋平記者)だった。“平成電電”の記事は今から約半年も前に掲載された記事でありながら,1~4月のアクセス数でベスト3位に食い込んだ。
4位以降にもWindows,Linux,無線LANといった各記者の専門性を生かした記事がランク入りしたが,中でも目立ったのがWinny関連の記事である。Winny関連のトラブルが急増している問題の本質がどこにあるか,あるいは,ネット接続事業者によるWinny“遮断”の決定をどう考えるべきか,といったテーマに取り組んだ記事が,6位,11位,12位にランク入りした。このほか,IT業界における請負業務や成果主義,システムの引継ぎといった,普遍的な問題に真正面から切り込んだ記事も,多くの支持を集めている。
ベスト20には,読者がこれまで見過ごした記事もあるだろうし,再読して新たなことを発見できる記事もあるに違いない。この連休を利用し,ランキングにない記事も含めて,是非お読みいただければ幸いである。