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2006年IT投資のキーワードは「攻めも守りも」

2006/01/25
図1●最近のIT投資実施分野<BR>(選択肢から複数回答)
図1●最近のIT投資実施分野
(選択肢から複数回答)
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 今後2〜3年でIT投資を行う分野の上位は,「セキュリティー関連」「営業支援」「内部統制関連」。一方で,「財務・会計」「人事・給与」への投資は一巡---。

 日経情報ストラテジーが昨年10〜11月に実施し,上場企業を中心とした357社から回答を得た「IT投資とIT経営推進責任者に関する実態調査」でこんな結果が出た。調査結果の詳細は,現在発売中である日経情報ストラテジー3月号の特集記事として掲載しているが,ここでは,2006年以降の企業のIT投資動向を探った部分を紹介する。

個人情報保護関連は高水準の投資続く

 この調査の質問の1つとして,「営業支援」「財務・会計」「顧客管理」などIT投資の分野を15項目提示し,「過去2〜3年でシステム強化などIT投資を行った分野」と,「今後2〜3年でシステム強化などIT投資を行う予定の分野」を聞いた(図1)。

 その結果,「今後2〜3年」で1位になったのが「個人情報保護・セキュリティー関連」分野で,全体の56.1%の企業が今後2〜3年で投資を行うと回答した。この分野は,「過去2〜3年」の投資分野でも2位(58.9%)。昨年春の個人情報保護法全面施行などの影響でセキュリティー市場の盛り上がりに注目が集まっていたが,実際に,ここ最近の最重点投資先であったことが裏付けられた。

 「過去」と「今後」の違いに着目すると,差が目立ったのが「文書管理・内部統制関連」「経営層向けの意思決定支援」の2分野だった。

 「文書管理・内部統制関連」は,過去に投資した企業は下から3番目(20.7%)にすぎないが,「今後」では上から3番目(45.9%)に浮上している。内部統制に関しては,財務報告やコンプライアンス(法令順守)に関する社内の体制・仕組みを規制する「日本版SOX法(企業改革法)」が数年後に施行される可能性がある。粉飾決算の疑惑が取りざたされる「ライブドア事件」の影響で,内部統制に関する規制強化が加速するかもしれない。まだ具体的な投資はしていないが,投資の必要性を感じている企業が多いことが調査結果に表れたようだ。

 「経営層向けの意思決定支援」も,過去では下から2番目(19.0%)だが,今後では4位(45.6%)に浮上している。ERP(統合基幹業務)パッケージ導入などによって,社内に詳細な実績情報が蓄積されるようになり,その情報を具体的に意思決定に生かしたいという需要が出てきているものとみられる。

 一方で,「財務・会計」は,過去に投資した企業は60.1%もあるが,今後では39.8%に減っている。同じ傾向が「人事・給与」などにも見られ,これらの分野のIT投資は一巡しつつあることが分かる。

 記者は調査実施前に,景気拡大が続くなか「営業支援」や「顧客管理」など売り上げ拡大を目的としたIT投資が増えると予測していたが,これらの分野に今後投資する企業は多いものの,過去との差はそれほど大きくなかった。「2006年は『攻めのIT投資』」といった風にきれいにまとめたいところだったが,実際の調査結果を見ると内部統制などが重視されており,「2006年は『攻めも守りも』」となりそうだ。

清嶋 直樹=日経情報ストラテジー

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