写真 ゴジラ4Kプロジェクトについて説明する日本映画衛星放送の佐藤取締役(右から2番目)ら
写真 ゴジラ4Kプロジェクトについて説明する日本映画衛星放送の佐藤取締役(右から2番目)ら
[画像のクリックで拡大表示]

 日本映画衛星放送は2014年7月11日、4Kコンテンツである「史上最高画質!ゴジラ4Kプロジェクト」の試写・取材会を開催した(写真)。同プロジェクトは、ゴジラの映画作品のフィルムを1コマ単位で4Kスキャンし、ゴジラ全28作品から厳選した名シーンで構成される番組である。

 番組は、4K試験放送の「Channel 4K」で2014年7月25日に放送される。フレームレートは60Pである。映画の1秒間24コマの映像を60フレームに対応させた。日本映画衛星放送が運営する有料放送チャンネルの「日本映画専門チャンネル」では2014年7月20日に2Kダウンコンバート版を放送する。同社はこの番組を、同社の編成企画の「総力特集・ゴジラ」の一環として放送する。

 4Kデジタルリマスタリングの作業は東京現像所が担当した。まずオリジナルフィルムの状態が4Kスキャン可能な状態であることや、物理的なダメージがないことをチェックした。場合によってはクリーニングや補強を行った。4Kスキャンは、ドイツARRI社の「ARRISCAN」を使って行った。4Kスキャンは緻密な作業になるため、1秒間につき2コマ程度の速度でデータ化した(2K解像度程度での作業では1秒につき4~5コマ程度)。

 4Kスキャン後のデジタルデータに対しては、フィルムの傷や汚れ、ゴミなどを1コマずつ修復する「レストア」工程の作業を行った。最終作業となるのは「グレーディング」工程である。色合いや鮮やかさ、明るさ、コントラスト、シャープネスなどをカラリストと呼ばれる専門家が調整した。これにより、映像のくすんでいた色彩を鮮やかにしたり、白ばんだ画面にメリハリを付けたりした。

 ゴジラ通として知られる佐野史郎さんを起用したナビゲート場面は4Kカメラで新たに撮影した。今回の番組は、ゴジラの著作権を管理する権利元である東宝の協力を得て実現した。制作にはフジテレビジョンとレイが協力した。