写真1●DR6000の外観
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写真2●NetVault Backup 10のWeb GUI画面
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 デル・ソフトウェアは2014年7月9日、データバックアップ用途のNASストレージの新モデル「DR6000」(写真1)を発表、同日販売を開始した。中小規模向けの現行モデル「DR4100」よりも大規模なバックアップに向く。また、今回のDR6000の販売に合わせて、DR6000/DR4100の両製品においてソースサイドの重複排除を可能にした。DR6000の参考価格(税別)は、バックアップ容量9Tバイトの最小構成で534万7500円。

 DR6000は、データバックアップ用途に特化したNASストレージである。データバックアップソフトが稼働するサーバー機からNFS/CIFSでマウントして利用する。特徴は、バックアップデータの格納サイズを削減する重複排除機能を備えていること。重複排除によってバックアップ可能容量は平均して15倍に増えるとしている。この計算によると、容量36Tバイトの最大構成モデルは論理容量として540Tバイトのデータをバックアップできる。

 DR6000は、現行モデルのDR4100の上位版に当たる。DR4100は、容量2.7Tバイト(論理41Tバイト)から27Tバイト(論理405Tバイト)までの全5モデルで構成する。これに対してDR6000は、9Tバイト(論理135Tバイト)から35Tバイト(論理540Tバイト)までの全4モデルで構成する。拡張ユニット利用時の最大容量は、DR4100(拡張ユニット2台)が81Tバイト(論理1215Tバイト)、DR6000(拡張ユニット4台)が180Tバイト(論理2700Tバイト)になる。

ソースサイド重複排除で22Tバイト毎時を実現

 今回のDR6000の発表に合わせて、DR4100とDR6000に新機能も追加した。具体的には、DR4100/DR6000側でのデータ重複排除だけでなく、DR4100やR6000にデータを転送するバックアップソフト側でデータの重複を排除できるようにした。これにより、重複していないデータだけをDR4100/DR6000に転送できる。同社の検証によれば、NFS利用時のデータバックアップ速度は、通常時が4.42Tバイト毎時で、プラグイン利用時が21.51Tバイト毎時である。

 バックアップソフト側(クライアント/エージェントが動作する業務サーバー側)で重複を排除するために必要なプラグインモジュール(NFS用およびCIFS用)を、各種データバックアップソフト向けに用意している。このプラグインモジュールを利用できるデータバックアップソフトは、同社の「NetVault Backup」のほか、米CommVault Systemsの「Simpana」、米EMCの「EMC NetWorker」、米IBMの「Tivoli Storage Manager」がある。

 また、DR6000の販売と同時に、データバックアップソフトの新版「NetVault Backup 10」も販売開始した。この新版では、バックアップ対象として管理可能なコンピュータの数を300台から1000台に増やしたほか、管理コンソールのGUIをWeb化した(写真2)。なお、NetVault BackupとDR4100/DR6000は、米DELLが2012年9月に買収した米Quest Softwareが2011年1月に買収した米BakBone Softwareの製品群である。