テラスカイは2014年7月10日、システム同士をデータ連携させるEAI機能をクラウド型で提供するサービス「SkyOnDemand」について、AWS(Amazon Web Services)との連携機能を強化すると発表した。AWS向けに、二つのアダプターを新規に追加し、既存の二つの接続アダプターを強化する。これらの強化は、2014年秋から提供開始する。

 SkyOnDemandは、システム同士をデータ連携させるEAI機能をクラウド型で提供するサービスである。社内システムとクラウドサービス間のデータ連携や、クラウド同士のデータ連携、社内システム同士のデータ連携などに利用できる。典型的な用途として、社内システムとSalesforceとの間で顧客データをやり取りしたり、社内システムのデータをAWSに格納したりできる。

 連携アダプターを介して、クラウドやDBMS(データベース管理システム)など、各種のデータに接続できる。標準で用意しているアダプターは17種()、オプションを含めて25種のデータに接続できる。このうちAWS用のアダプターは、「Amazon EC2アダプタ」(インスタンスの起動と停止)、「Amazon S3アダプタ」(ファイル操作)、「Amazon RDS アダプタ」(データベースアクセス)「Amazon SimpleDBアダプタ」(データベースアクセス)の4つで構成している。

表●標準で利用できる接続アダプター(オプションは含まない)
クラウド接続ファイル入出力ネットワーク接続データベース接続
SalesforceCSVSMTP/POP3/IMAP4JDBC
AWSExcelFTP 
Google AppsHTML/XHTMLWeb(XML) 
Windows AzureXMLREST 
 固定長SOAP
 可変長
 ファイルシステム

 今回、AWS用の接続アダプターを強化した。

 まず、これまで提供していなかった接続アダプターとして、(1)「Amazon Redshiftアダプタ」と(2)「Amazon SQSアダプタ」を追加した。(1)では、DWH(データウエアハウス)であるRedshiftにデータをロード(登録)できるようにした。(2)では、メッセージキューであるSQSとの間でメッセージを送受信できるようにした。SQSにより、REST/SOAPよりも到達性に優れた方式でメッセージを伝達できる。

 さらに、既存のアダプターを強化した。(c)Amazon S3アダプタの強化では、格納するデータをサーバー側またはクライアント側で暗号化できるようにした。さらに、大容量データを高速に格納する手段として、ファイルを分割してS3に送信するマルチパートアップロードを可能にした。(d)Amazon RDSアダプタの機能強化では、これまで接続できていたMySQL 5.1に加えて、最新版であるMySQL 5.6に接続できるようにした。

 SkyOnDemandの価格(税別)は、初期費用が60万円。運用費用は、データ連携を動作させるトリガーが0個から5個までの最小構成で月額7万円、16個から20個までの最大構成で月額26万円、など。さらに、データ転送量に応じた従量課金として、データ転送量が月間100Gバイトを超える場合は、超過100Gバイト当たり5000円がかかる。

 なお、SkyOnDemandは、アプレッソが開発/販売しているEAIソフト「DataSpider」のSaaS版に相当する(関連記事:NTTソフトがSalesforce連携用のSaaS型EAIに国内クラウド使用の上位版)。国内総販売代理店はNTTソフトウェアであり、ユーザーはテラスカイによる直販か、あるいはNTTソフトウェアを介してSkyOnDemandを購入できる。テラスカイではまた、DataSpiderの機能をSalesforce連携に特化させたソフト「DCSpider」も販売している(関連記事:テラスカイ、Salesforceと社内システムを連携するミドルウエアに新版 )。