写真●RHEL7の新機能を説明するレッドハット日本法人の廣川裕司社長
写真●RHEL7の新機能を説明するレッドハット日本法人の廣川裕司社長
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 レッドハット日本法人は2014年7月10日、「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)7」を提供すると発表した。アプリケーションをパッケージ化し、ホストOS上に迅速に展開できる技術「Linuxコンテナ」に正式対応したほか、最大500Tバイトまで扱えるファイルシステムを標準採用した。
 
 同社の廣川裕司社長は記者説明会で、RHEL7について「クラウド時代のデフォルト・エンタープライズOSと位置付けたい」と抱負を語った(写真)。RHEL6のリリースから3年半振りとなるメジャーバージョンアップで、2015年7月に迫ったWindows Server 2003のサポート終了に伴う更新需要を狙う。
 
 RHEL7から正式サポートを始めたLinuxコンテナは、アプリケーションとランタイム、依存関係にあるソフトウエアをパッケージ化し、簡単に配布できるようにする技術。ホストOS上にイメージを展開するだけでアプリケーションを起動できる。「(仮想OSイメージのように)OSを含まないイメージなので、起動が非常に速い」(米RedHat プリンシパルプロダクトマネージャーの鶴野龍一郎氏)。コンテナの管理はオープンソースソフト「Docker」で行う。

 RHEL7のファイルシステムは、これまで有償のアドオンだった「XFS」を標準とし、最大500Tバイトまで拡張できるようにした。既存のファイルシステムであるext4も50Tバイトまでサポートする。

 システム管理ツールは、OpenLMIやsystemdに対応。ただし、既存のスクリプトとの互換性も確保する。Active Directoryを利用する企業向けに、WindowsドメインとRHELドメインの相互運用性を強化しているという。