SAPジャパンは2014年7月10日、日本のスポーツ業界におけるビッグデータ市場に本格参入すると発表した。最初の取り組みとして、スポーツデータの解析や配信を行うデータスタジアムのサッカー/野球向け次世代サービスに「SAP Cloud powered by SAP HANA」を導入し、イノベーションパートナーとして研究と開発を支援していくという。

 データスタジアムは、サッカーや野球、ラグビー、バスケットボールなどのスポーツに向けたデータ分析ソリューションを提供する企業で、センサー技術や映像解析技術を活用した次世代サービスの研究と開発に着手している。サッカー向け次世代サービスでは、リアルタイムにトラッキングした選手やボールの動きに同社独自の指標を掛け合わせたリアルタイムプレーの予測が可能なシステムを研究中で、野球向け次世代サービスでは、進行中の試合状況と選手の過去のプレーデータを組み合わせて得失点確率を算出するなどリアルタイムな戦略サポートができるよう研究中だという。

 こうした次世代サービスでは、過去の膨大なプレーデータと現在進行中のプレーデータを組み合わせながらリアルタイムに予測分析を行う。データスタジアムでは、同社が目指すサービスを迅速かつシンプルに具体化できるとして、SAP HANAの採用に至ったという。

 データスタジアムは、次世代向けサービスの開発により、今後スポーツのリアルタイム観戦がより楽しめるファン向けのWebサービスも提供したいとしている。

 SAPは、グローバル市場では2013年よりスポーツ&エンターテインメント産業へのソリューションを提供している。既に大リーグ機構(MLB)や全米バスケットボール連盟(NBA)、ドイツサッカー連盟(DFB)などのスポーツ統括組織をはじめ、F1のマクラーレン・メルセデス、アメリカンフットボールのサンフランシスコ49ersなどのプロスポーツチームにて、パフォーマンス管理やファンエンゲージメントなどのソリューションが採用されているという。