写真●「インターリンクLTE SIM」で用意する3種類のSIMカード
写真●「インターリンクLTE SIM」で用意する3種類のSIMカード
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 インターリンクは2014年7月8日、NTTドコモのMVNO(仮想移動体通信事業者)として提供するLTEサービス「インターリンクLTE SIM」を始めたことを発表した。NTTドコモ製端末(LTE対応機種)やSIMフリー端末で利用できる。標準SIM、microSIM、nanoSIMの3種類のSIMカード(写真)を用意する。

 インターリンクLTE SIMの最大の特徴は、ユーザーに貸与するSIMカードに対して個別に「グローバル固定IPv4アドレス」を割り当てる点だ。常に同じIPアドレスを使って通信できるため、「アクセス元を限定しやすい」「サーバーとして公開できる」「グローバルIPを必要とするサービスを利用可能」といったメリットがある。

 アクセス元の限定については、例えば外出先から社内ネットワークにアクセスしたり、サーバーやネットワーク機器のメンテナンスを実施したりする際に、セキュリティを高めるのに役立つ。接続を受け付ける企業ネットワーク側機器で、指定したIPアドレスからのみ接続を許可することによりアクセス元を確実に限定できるからだ。

 サーバーの公開については、例えば野外でのイベントにおいて、一時的にサーバーを立てて撮影した大量の写真をすぐに公開、必要な写真だけを不特定多数のユーザーにダウンロードしてもらうといった目的で活用できる。大量の写真をいったん他のサーバーやクラウドサービスに転送せずに済む。

好きなドメイン名を逆引き登録できる

 その他、インターリンクでは「スマートフォン向けWebサービスの動作検証やデバッグで固定IPアドレスが必要なケース」「POS、自動販売機、BEMS(Building Energy Management System)、監視カメラなどのM2Mシステムの構築」などの用途に活用できるとしている。

 固定IPアドレスに対応するドメイン名をDNSで検索できるようにする「逆引き」設定もサポートしている。スパムメール送信判定や電子掲示板でのアクセス規制など、一部の逆引き設定を要求するサービスにも対応可能だ。管理者向けコントロールパネルから好きなドメイン名(ホスト名)を無料で指定できる。

 料金は、初期費用が3240円、月額費用は上下最大128kビット/秒で使い放題の「128kbpsで使い放題プラン」が1080円、データ通信量1Gバイトまでは下り最大150Mビット/秒および上り最大50Mビット/秒、1Gバイト以降は上下最大200kビット/秒で使い放題の「1GBまで高速プラン」が1728円などとなっている。2GBおよび3GBまでの高速プランもある。月額151円のSMSオプションや、速度制限の24時間解除クーポン(540円/枚)なども用意している。

 なお、通信速度制限については、月間通信量のほか、「直近3日あたりの通信量が366Mバイトを超えた場合」にも通信速度が200Kビット/秒に制限されるという。