米国家安全保障局(NSA)は法律上監視対象となる外国人をはるかに上回る多数の一般インターネットユーザーの通信を傍受している―――こんな調査結果を米Washington Postが現地時間2014年7月5日付けの記事で公表した。
 
 同紙は、NSAの監視活動を告発した元米中央情報局(CIA)職員のEdward Snowden容疑者から入手した資料をもとに、4カ月にわたって調査した。それによると、NSAの大規模キャッシュにデータが保存されているオンラインアカウント登録者の10人中9人は、監視対象ではない一般のインターネットユーザーだという。

 そのうち半数は米国人と見られ、氏名や電子メールアドレスのほか、NSAが米国籍または米国在住と判断した個人情報が保存されていた。6万5000人以上は、プライバシー保護のために身元の分かる情報は隠されていたが、900人近くははっきり確認できる状態だった。

 Washington Postによれば、NSAの大規模キャッシュには、2009~2012年に1万1000件のオンラインアカウントから収集された約16万件の電子メールおよびインスタントメッセージの会話、5000点の写真、7900点のドキュメントが保存されていた。

 NSAの盗聴活動は、2002年のバリ島爆破テロの主要メンバー、Umar Patek容疑者の逮捕といった成果にもつながっているが、「ごく普通の1万人以上のインターネットユーザーの日常生活がNSAに収集され、監視対象ではないにもかかわらずデータが保存されている」と、Washington Postは指摘している。