写真●アクセンチュアの程近智社長(写真:井上裕康)
写真●アクセンチュアの程近智社長(写真:井上裕康)
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 アクセンチュアの程近智社長は2014年7月4日、東京都内で開催された「IT Japan 2014」(日経BP社主催)に登壇し、デジタル技術がもたらしたイノベーションの現状と企業がこれにどう向き合うべきかを語った(写真)

 「デジタルを駆使した“創造的破壊”時代の幕開け」と題した講演で、程社長は米アマゾンなどの新興ネット企業が店舗販売などリアルのビジネスを侵食してきたという事実を指摘した一方で、「今後はデジタル技術を上手く活用した大企業が復権を果たす時代が来る」という持論を展開した。膨大な顧客ベースや設備などのビジネス資産をデジタル技術と結び付けることで、新たな価値を創造できることに企業も気付き始めている。そこでデジタル技術の活用に動く大企業が「破壊的創造」を起こしやすくなるという主張である。

 その上で、デジタル技術とビジネス資産と結びつくことで起こりつつあるイノベーションを6種類にまとめた。「デジタルとリアルの融合が加速する」「従来の企業の枠を超えたボーダーレス・エンタープライズが出現する」「あらゆる業種、業態でデータから知見を得る『データ・サプライ・チェーン』が台頭する」「API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)がチャンスを生み出す」「再びコンピューターのハードウエア性能が競争を制する時代になった」「デジタル技術が企業の回復力を左右している」というものだ。