写真1●「日本価値記録事業者協会」設立に向けた会見
写真1●「日本価値記録事業者協会」設立に向けた会見
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写真2●自民党 IT戦略特命委員会 資金決済小委員会 委員長の福田峰之衆議院議員
写真2●自民党 IT戦略特命委員会 資金決済小委員会 委員長の福田峰之衆議院議員
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 国内のビットコイン事業者など3社は2014年7月4日、仮想通貨ビジネスの業界団体「日本価値記録事業者協会」を8月に発足させると発表した(写真1)。米系ビットコイン交換所のKraken Japan、ビットコイン販売所のbitFlyer、仮想通貨決済業のCoinPassが参加するほか、他の事業者にも参加を呼びかける。

 ビットコインをはじめとする仮想通貨と現金を取引する交換所は、マネーロンダリングやコイン詐取といった犯罪行為に利用されやすい。同協会は、仮想通貨(=価値記録)交換所の自主規制ガイドラインを作るほか、交換所のセキュリティ監査、関係省庁との連携や意見交換、犯罪捜査への対応のための体制整備などを担う。

 海外の同種団体である米NPO法人のDATA(Digital Asset Transfer Authority)やシンガポールACCESS(Association of Crypto-Currency Enterprises and Start-ups, Singapore)とも連携するという。

 会見に同席した自民党 IT戦略特命委員会 資金決済小委員会 委員長の福田峰之衆議院議員は「ビットコインのビジネス規模はまだ小さい。当面、仮想通貨に関わる法制化は行わず、暖かく見守りたい」と語った(写真2)。同委員会は、2014年6月に公開した中間報告の中で、ビットコイン業界に自主規制団体の設立を促していた(関連記事)。

 協会の構成や規約、参加条件、自主規制などの詳細は未定。策定するガイドラインは、DATAやACCESSなど海外団体とも統一を図っていくとした。具体的には、マネーロンダリング対策としての本人確認の徹底、金融機関に近いレベルのセキュリティを求めるという。「Mt.Goxに限らず、ビットコイン事業者はハッキングなどの攻撃を当然のように受ける。セキュリティ対策の重要を業界に周知したい」(Kraken Japanの宮口あやこ氏)とした。

 事務局長にはRising Bitcoin Japanの樋田桂一代表、顧問弁護士には西村あさひ法律事務所の斎藤創弁護士が就く。

 ビットコインについては複数の業界団体が立ち上がっており、福田議員は「できるなら一本化する方向に行ってほしい」と語った。