写真●元プロテニスプレイヤーの杉山愛氏(写真:井上裕康)
写真●元プロテニスプレイヤーの杉山愛氏(写真:井上裕康)
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 日経BP社が東京・品川プリンスホテルで開催中のイベント「IT Japan 2014」の2日目となる2014年7月3日、特別講演として元プロテニスプレーヤーの杉山愛氏(写真)が登壇した。講演タイトルは「いかに世界をホームにしたか ~日本人として世界で活躍するには~」。グランドスラム優勝4回、さらにダブルスは世界1位に輝いた経験を基に、ビジネスパーソンが世界を舞台に活躍するための秘訣を語った。

 杉山氏は、17年間のツアー出場を重ねる中で、世界を舞台に戦うことができたポイントは「『Big Picture』を描く」「自分の武器を見つける、伸ばす」「引退まで続ける」の3つだったと振り返る。

 一つめの「Big Pictureを描く」については、後悔が残る自らの言葉がある。17歳でプロ転向を決断し、記者会見で「世界トップ10を目指して頑張りたい」と発言した。「今思うと、なぜトップ10だったのか、なぜNo.1じゃなかったのか」(杉山氏)。もちろん、当時ランキングで200位を切ったばかりの杉山氏にとって、トップ10は、とてつもない目標であり、その言葉はプレーヤーとしての大きな原動力となった。

 プロ転向から11年後、28歳で夢がかなう。ただ、「テニスを開始してから約20年、夢を追い求めてそれがかなったとき、充実感と満足感でいっぱいになってしまった」。その後、トップ5を目指すという新たな目標は掲げたものの、届かなかった。「もっと大きなNo.1という目標を掲げていたら、満足せずにエネルギーを向けることができたんじゃないか」という心残りがあるという。