写真●諸星俊男・日本NCR社長兼CEO(写真:井上裕康)
写真●諸星俊男・日本NCR社長兼CEO(写真:井上裕康)
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 日経BP社が2014年7月2日から4日にかけて東京・品川プリンスホテルで開催中のイベント「IT Japan 2014」で、諸星俊男・日本NCR社長兼CEO(最高経営責任者、写真)は「消費者と企業を結ぶオムニチャネルの実現に向けて」と題して講演し、オムニチャネルは「IT主導ではなく、必要なのは顧客体験の改善」と語った。プロモーション、セールス、デリバリーという要素に加えて、分野に即したベストタイミングが必要だとした。

 諸星社長は日本NCRについて、東京五輪が開催される2020年には100周年を迎える、米系外資系で最古の企業と紹介。飲食店のレジや銀行ATMなどではシェアトップで、空港の自動チェックイン機でも知られる。「オムニチャネル実現のグローバルリーダー」として世界で毎日約5億件ほどの取引を処理しているという。

 講演で諸星社長は、オムニチャネルについて「消費者にネットや電話、決済行為のチャネルや、納品(デリバリー)でもシームレスに統合すること」と指摘。これまでの売る方の論理ではなく、買う方の消費者の考え方が重要だとした。

 その上でオムニチャネルについて、「リアルとネットの融合」だけではなく、ソーシャルネットワーキングの活用やモバイル機器の応用、消費者目線や消費者にとっての簡便さが大きな要素だとし、それを実現する人材が必要だとした。

 特に消費者目線として、ベンダーが消費者を分析するCRMから、消費者が自分のパーソナルデータを保有して提供者を選択して、データ公開で提案を求めるVRM(Vendor Relationship Management)への発想の転換が必要だとした。