サイボウズOfficeクラウドの移行支援などを手がけるジョイゾーは2014年6月30日、主に中小企業向けに、一つの業務システムを定額39万円(税別)で開発する新たなSIサービス「システム39(サンキュー)」を始めた。これまで、クラウドサービスを使っても最低数百万円かかっていたシステム構築(SI)の価格を大幅に引き下げることで、中小企業の市場を開拓する。
ユーザー企業がこれまでExcelなどのオフィスソフトで管理していた在庫や売り上げ、顧客などのデータ管理業務を、サイボウズのPaaS「kintone」上で開発したクラウド業務システムに置き換える。これまでファイルで管理していたデータをクラウドに載せることで、複数の社員がデータベースを同時編集する、営業担当者が外出先からデータを参照する、チャートやグラフを自動作成する、など業務を効率化できる(写真1、写真2)。
ジョイゾーは低価格の定額SIサービスを実現するため、顧客企業の担当者に、kintoneを提供するサイボウズのオフィスまで3~4回来てもらい、顧客の目の前でシステムを構築する「来店型」のサービスモデルを採用した。
各訪問は1回2時間以内で、うち初回の訪問は無料。1回目の訪問では、ジョイゾーの技術者が業務についてヒアリングした上で、kintoneのGUIを使って顧客の目の前でβ版システムを試作、提示する。ここまでの作業は無償となる。
顧客が試作システムを気に入れば、39万円で正式に契約。39万円の範囲内で実現できる要件を顧客と詰め、残り2~3回の訪問でシステムを完成させ、顧客に引き渡す。納期は最短で2週間。繰り返し39万円の契約を結ぶことで、継続的に機能を追加することもできる。
契約はサービス提供契約で、完成義務を負う請負契約は結ばない。39万円には、納品後30日以内の修正作業も含まれる。納品後、顧客はサイボウズにkintoneの使用料(1ユーザー当たり月額780円~1500円)を支払うことになるが、ジョイゾーはオプションで月額3万9000円の保守サービスも提供している。