米Facebookがユーザーのニュースフィードを操作し、投稿内容がユーザーに与える心理的影響を実験していたことが、米国科学アカデミー紀要(PNAS)で公開された論文から分かったと、複数の海外メディア(英Telegraph米VentureBeat米Forbes英Financial Timesなど)が現地時間2014年6月29日までに報じた。

 論文によると、Facebookの科学者らは68万9003人のユーザーを対象に、ニュースフィードに掲載される友達などからの投稿を調整した。ポジティブな印象を与える投稿の表示を減らしたところ、ユーザー自身のアップデートもネガティブな内容が増えた。逆にネガティブな印象を与えるコンテンツをニュースフィードから減らすと、ユーザー自身の投稿はポジティブな内容が増えたという。

 論文では「調査結果は、Facebook上で表示される他のユーザーの感情が自身の感情に影響することを示し、ソーシャルネットワークを介した大規模感情伝染の実験的証拠となる」と述べている。

 実験は2012年1月11~18日に行われた。対象となったユーザーは事前に実験について知らされていない。しかしFacebookは、ユーザーが同意している「Data Use Policy(データの使用に関するポリシー)」の条項「トラブルシューティング、データ分析、テスト、調査、サービス向上を含む内部運用を目的としたデータ利用」の範囲内だと主張している。

 また、投稿のポジティブ/ネガティブは機械的に選別しており人間が投稿を読んでいるのではないこと、特定の個人のアカウントに関するデータは使用しておらず、個人データを収集していないことなどを強調した。