図1●Windows Embedded 8利用制限(ロックダウン)の例
図1●Windows Embedded 8利用制限(ロックダウン)の例
[画像のクリックで拡大表示]
図2●シンクライアント用仮想USBデバイス統合管理ソフト「VUMS」の概要。シンクライアントサーバー側でシンクライアント端末に接続したUSB周辺機器のデバイスドライバーを一元管理する
図2●シンクライアント用仮想USBデバイス統合管理ソフト「VUMS」の概要。シンクライアントサーバー側でシンクライアント端末に接続したUSB周辺機器のデバイスドライバーを一元管理する
[画像のクリックで拡大表示]

 シンクライアント・ソリューション総合研究所(TCSI)は2014年6月27日、ユーザー企業がシンクライアント導入に当たって必要となる各種支援や開発を総合的に提供する「スーパー・シンクライアント・ソリューション」事業を本格的に開始したことを発表した。

 RFI(Request For Information)の策定をはじめとするコンサルティングから、シンクライアント端末OSのカスタマイズや追加開発、サーバー側管理ソフトの販売および導入支援などを、同社のパートナー企業20社(2014年6月現在)を通じて提供する。

 同ソリューションの柱となるのは、(1)Windows Embedded OSのカスタマイズ、(2)シンクライアント用仮想USBデバイス統合管理ソフト「VUMS」の提供、(3)シンクライアント基盤最適化コンサルティング――の三つ。

 (1)のWindows Embedded OSのカスタマイズは、例えば最近人気が出ている安価なWindows 8タブレットに対して、OSをWindows Embedded 8に入れ替えることなどにより、シンクライアント専用端末化するといったカスタマイズを実施するもの。単にOSを入れ替えるだけでなく、特定のOS操作を制限したり(図1)、OS起動直後に業務アプリを自動実行させたり、サーバーに自動接続させたりするなどユーザー環境に合わせたカスタマイズにも対応する。

 (2)のシンクライアント用仮想USBデバイス統合管理ソフト「VUMS」は、シンクライアントサーバー側でシンクライアント端末に接続したUSB周辺機器のデバイスドライバーを一元管理するためのソフトウエア(図2)。MRYが開発した製品で、TCSIが総販売代理店となっている。接続対象となるUSB周辺機器をユーザー名や端末IDなどで細かく接続制限できるほか、利用状況をログとして記録・管理する仕組みも備える。

 (3)のシンクライアント基盤最適化コンサルティングでは、経営層と現場の両方の立場から業務ニーズや課題をヒアリングし、ユーザー企業の事情に合わせたシステム構築を支援する。「特定メーカー/ベンダーに依存しないフラットなスタンスで、ユーザーにとって最適なシステムを構築できるようコンサルティングを実施する」(TCSI)という。シンクライアントだけでなく、ITシステム全体の見直しや構築を支援するIT戦略コンサルティングも提供する。

 TCSIでは、同ソリューションについて、「初年度5億円、3年後に10億円以上の売り上げを目指す」としている。