写真●ThinPrintの概要(出典:アセンテック)
写真●ThinPrintの概要(出典:アセンテック)
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 アセンテックは2014年6月25日、VDI(デスクトップ仮想化)環境下で印刷データを手元に転送する際にネットワーク帯域を使ってしまう問題を解決するソフトの新版「ThinPrint 10.0」(写真)を発表、同日販売を開始した。新版ではライセンスを簡素化し、数十ユーザーの小規模において費用を下げた。想定価格(税別)は、1ユーザー当たり8100円からで、最小導入数は10ユーザー。

 ThinPrintは、VDI環境における印刷の課題を解決するソフトである。VDI環境では一般的に、仮想デスクトップが置かれているデータセンターから手元(オフィス)のプリントサーバーに対して印刷データを送信する。このため、印刷データの容量が大きい場合や、印刷回数が多い場合は、ネットワーク帯域を占有してしまったり、印刷処理に時間がかかり過ぎたりしていた。

 ThinPrintは、これらの問題を解決する。具体的には、データ圧縮によって、印刷データ量を削減する。最大で98%まで圧縮できるという(この場合は、50分の1のサイズになる)。さらに、帯域制御によって、印刷データがネットワーク帯域を占有しないようにする。

 ソフトウエアは、印刷データを圧縮して送信するサーバーソフト「ThinPrint Engine」と、印刷データを受信して伸長するクライアントソフト「ThinPrint Client」の二つで構成する。いずれも、Windows OS上で稼働する。ThinPrint Engineは、データセンターのVDIサーバー側にあるプリントサーバーの上にインストールする。一方のThinPrint Clientは、オフィスのLANにあるプリントサーバーの上にインストールする。

 今回の新版では、ライセンス体系を見直した。従来は、VDIサーバーの台数に応じたライセンスや、プリントサーバーの台数に応じたライセンス、仮想デスクトップの台数(ユーザー数)に応じたライセンスなどに分かれていた。新版ではユーザー数ライセンスに一本化した上で、ライセンス体系を簡素化した。これにより、数十ユーザーの小規模においては、費用が安くなったという。