セイコーエプソンとエプソン販売は2014年6月26日、内蔵バッテリー搭載で国内最小・最軽量となる小型インクジェットプリンター「PX-S05W(ホワイト)」「PX-S05B(ブラック)」を9月下旬から発売すると発表した。価格はオープンで、同社の直販サイトでは2万7980円(税別)で販売する。
収納時の本体サイズは、幅309×奥行き154×高さ61mmで、重さは1.6kg。小型化のため、給紙ローラーの直径を22mm(据え置き型のPX-105は35mm)、搬送ローラーの直径を4mm(同12mm)まで小さくし、インクカートリッジも小型サイズにした。また、本体フレームをアルミニウムにすることで、軽量化しつつ本体強度を確保している。競合となる、キヤノンの「PIXUS iP100」(幅322×奥行き185×高さ61.7mm、2kg)や、日本ヒューレット・パッカードの「Officejet 100 Mobile」(幅348×奥行き175.3×84.4mm、2.3kg)よりも小さい。
本体内蔵のバッテリーで、カラー50枚またはモノクロ100枚まで印刷できる。無線LAN機能を内蔵しており、スマートフォンやタブレットから直接印刷することも可能だ。カラーとブラックの2種類のカートリッジを装着し、4色の顔料インクで印刷する。印刷できる枚数は、カラーカートリッジは約200枚までで、モノクロカートリッジは約250枚まで。印刷コストはA4カラー文書1枚当たり12.9円になる。
同社はモバイルプリンターの用途について、場所を選ばず仕事をするビジネスパーソンや、金融、製薬、警察、外勤営業、接客カウンターなど、特定業務での利用を見込んでいる。
セイコーエプソン業務執行役員プリンター事業部の高畑俊哉副事業部長は、「これまでエプソンのプリンターは家庭向けというイメージが強かったが、2009年3月に制定した長期ビジョン『SE15』以降は、ビジネス向けにも力を入れている。さまざまな調査により、小型プリンターにもビジネスチャンスがあると分かったので参入を決めた。従来のモバイルプリンターでは、大きさや重さに不満を感じている人が多かったので、2kgを切る軽さにこだわった」と、開発の経緯を説明した。
同社は新製品により、国内10万台のモバイルプリンター市場で、50%のシェアを目指す。
公開時に、タイトルで「世界最小・最軽量」と記載していましたが、正しくは「国内最小・最軽量」です。お詫びして訂正します。 [2014/06/27 15:00]