企業や団体を超えたビッグデータの活用方法を探る「データエクスチェンジ・コンソーシアム」は2014年6月19日、第2回全体会を開催した(写真1)。同コンソーシアムは4月17日に設立を表明し、5月22日に第1回の全体会を開催していた(関連記事:業種を超えてビッグデータ活用を探る、データエクスチェンジ・コンソーシアムが全体会開催)。事務局によると、第2回の全体会には70社以上が参加した。

写真1●2014年6月19日に開催されたデータエクスチェンジ・コンソーシアム第2回全体会
写真1●2014年6月19日に開催されたデータエクスチェンジ・コンソーシアム第2回全体会
[画像のクリックで拡大表示]

 第1回では、有識者の講演やコンソーシアムの参加企業・団体に提供されるサービス、今後の分科会の活動に向けたアイデア出しが行われていた。第2回では、富士通総研や経済産業省、総務省の担当者が講演したほか、データサイエンティスト協会が人材育成についての取り組みを解説。コンソーシアム側は、第1回で実施したアイデア出しの集計結果を報告し、参加企業の業務内容に直結した活用法を模索するという新たな形式の分科会について説明した。

 富士通総研は執行役員常務で経済研究所所長の徳丸嘉彦氏(写真2)が講演した。徳丸氏は、ビジネスにおけるITの使われ方について、1970年代の省力化・自動化、80年代の情報活用、90年代のビジネスのスタイルの変革に続いて、現在はITが顧客と企業の関係性を変える「ハーモナイゼーションの時代」になったとし、顧客の要望に合わせるだけでなく「データを活用して企業が顧客に対して『したたかに』仕掛けて効果を求めていく」(徳丸氏)段階にあるとの見解を示した。

 データ活用においては、データからパターンを探索し、そのパターンがビジネスに使えるかを検証した上でモデルを構築、そのモデルを基に業務へと組み込む、このサイクルをいかに短く進めるかが重要であると説明。その一方で「利益を得ることを考えて終わりではなく、社会的な価値を作り出していかないと信用が得られない」(徳丸氏)とし、「社会的価値をいかに生み出すかを考慮してデータエクスチェンジ(データの共用)を探っていけば、新しいビジネスモデルが得られるだろう」(徳丸氏)とまとめた。

写真2●富士通総研執行役員常務、経済研究所所長の徳丸嘉彦氏
写真2●富士通総研執行役員常務、経済研究所所長の徳丸嘉彦氏
[画像のクリックで拡大表示]