スカパーJSATは2014年6月25日、被災地やデジタルデバイド地域で簡易な操作によって衛星通信ネットワークの構築が可能な自立式車載型衛星通信システム(写真1)を奈良先端科学技術大学院大学に納入したと発表した。

写真1●システムの概観
写真1●システムの概観

このシステムは、スカパーJSATが総務省の委託を受けて行った「災害時に簡易な操作で設置が可能な小型地球局(VSAT)の研究開発」の研究成果を初めて実用化したもの。地震や津波などで地上系通信インフラが損壊した場合でも、地上系の通信網に依存することなく、容易かつ迅速に衛星通信ネットワークを構築して代替通信路の確保が可能という。

 今回のシステムはハイブリッド車による運搬・電源供給により、電源投入後にワンタッチ操作で目的の衛星を自動的に捕捉する(写真2)。通信開始前に必要な管制局との疎通確認試験も自動で行い、利用者は通常3分程度で衛星通信を利用できる。余震などで運用中にアンテナ方向がずれた場合でも自動的に衛星を再捕捉する機能も備える。音声によるガイダンス機能も搭載した。

写真2●車載状態の概観
写真2●車載状態の概観

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