写真1●Graph 500のトップ10リスト
写真1●Graph 500のトップ10リスト
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写真2●合同チームでアルゴリズムを最適化
写真2●合同チームでアルゴリズムを最適化
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 グラフ理論に基づく大規模データ解析性能を競う「Graph 500」の運営委員会が2014年6月23日に発表した最新のランキングで、理化学研究所(理研)の「京」が初めて首位を獲得した。

 Graph 500で測る演算性能は、実アプリケーションではWebページのリンク解析、ソーシャルグラフ解析、POS(販売時点管理)データの相関分析などの、いわゆるビッグデータ解析に近い。プロセッサの演算性能がものをいうTOP500のベンチマークと異なり、ネットワークやメモリーの性能が重要になる。演算性能の単位はTEPS(1秒間に探索したグラフの枝数)である。

 今回、京のグラフ演算性能は1万7977ギガTEPS(グラフの大きさを示すScaleは40)だった。2013年11月までのランキングでは5524ギガTEPS(Scale 40)で4位だったが、理研、東京工業大学、九州大学、ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン、科学技術振興機構の合同チームでアルゴリズムを最適化し、3倍以上に高速化できた。計算に使ったコアの数は約52万で、2位の半分ほどのコア数で同等以上の演算性能を実現した。

 2位は米ローレンス・リバモア国立研究所「Sequoia」の1万6599ギガTEPS(Scale 40)、3位は米アルゴンヌ国立研究所「Mira」の1万4328ギガTEPS(Scale 40)だった。いずれも機種は米IBMのBlueGene/Qである。