写真●IIJ GIO for SAPソリューションPoC for SAP HANAの概要
写真●IIJ GIO for SAPソリューションPoC for SAP HANAの概要
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 インターネットイニシアティブ(IIJ)は2014年6月23日、SAP HANAの概念実証(PoC:Proof of Concept)に利用できるシステム基盤「IIJ GIO for SAPソリューションPoC for SAP HANA」(写真)をクラウド上に用意したと発表した。7月1日から提供開始する。ユーザー企業でも利用できるが、SAP HANAを顧客企業に導入するSIベンダーの利用を想定している。

 SAP HANAの検証システム一式をクラウド上で提供する。具体的には、IIJのクラウドサービス「IIJ GIO」に、独SAPのアプリケーション「SAP Business Suite powered by SAP HANA」をインストールした検証環境とリモートアクセス機能を貸し出す。これにより、既存のSAP ERPをSAP HANA環境に移行する際の検証に利用できるようにした。

 PoCでは、256Gバイトのメモリーを搭載したSAP HANA環境を1台、専有環境で提供する。VMware仮想サーバー環境としては、CPU 12コア、メモリー96Gバイト、高速ストレージ1Tバイトを専有環境で用意し、業務アプリケーションのSAP ERPと、データウエアハウスのSAP NetWeaver Business Warehouseをインストールして提供する。さらに、このシステムにVPN経由でリモートアクセスする機能を提供する。

 なお、PoCシステムは、導入前の事前検証を目的とした利用を前提としており、本番環境を含むシステム開発用途(開発、検証、本番システム用途)で利用することはできない。今後IIJでは、本番環境を含むシステム開発用途で利用できるクラウド型サービス「IIJ GIOコンポーネントサービス データベースアドオン インメモリプラットフォーム for SAP HANA」のリリースを予定している。

 PoCシステムの利用料は個別見積もり。IIJでは、SAP関連のクラウド事業で2016年度までに35億円の売上を目指す。