米Microsoftと米Googleは、盗まれたスマートフォンをリモートで操作不能にできる「kill switch(キルスイッチ)」機能をそれぞれ次期モバイルOSに実装する。キルスイッチ導入を推進する米ニューヨーク州Eric Schneiderman司法長官と米カリフォルニア州のGeorge Gascon地方検事が現地時間2014年6月19日に明らかにした。

 これにより、米国におけるスマートフォンの97%を網羅するGoogleの「Android」、米Appleの「iOS」、Microsoftの「Windows Phone」にキルスイッチ機能が搭載されることになると、Schneiderman司法長官は述べている。Appleは、紛失した端末を遠隔操作でロックあるいはデータ削除できる「Activation Lock」機能を、2013年にリリースされた「iOS 7」から提供している。

 Microsoftは、既存のセキュリティ機能「Find My Phone」を拡張し、遠隔操作でスマートフォンの個人データを消去できるようにする。また、スマートフォンを操作不能にしたり、再アクティベートやセットアップが行えないようにする機能も追加する。「Windows Phone 8.0」以降を搭載するすべてのスマートフォンに新機能を提供するとしている。

 Schneiderman氏とGascon氏が中心となって立ち上げた、スマートフォン窃盗の撲滅を目指す取り組み「Secure Our Smartphones Initiative」の新たな調査報告書によると、AppleがActivation Lockの提供を開始して以降、「iPhone」を狙った窃盗や強盗は大幅に減少した。同時に、キルスイッチ機能を備えていないスマートフォンの所有者に対する粗暴犯罪が増えているという。

[発表資料(ニューヨーク州司法長官室のプレスリリース)]
[発表資料(Microsoftの公式ブログ)]