米Appleは、電子書籍の価格調整を巡る集団訴訟で和解に合意した。原告側の弁護士が現地時間2014年6月16日にニューヨーク州南部の連邦地方裁判所判事に提出した書類から分かったこととして複数の海外メディア(米Wall Street Journal英Reuters英Financial Timesなど)が報じている。

 原告側弁護士がDenise Cote判事に宛てた書類では、Appleと原告側が「基本合意に達した」としているが、詳細な条件については明らかにしていない。和解成立には裁判所の承認を得る必要があり、Cote判事は当事者に対し30日以内に承認申請を行うよう命じている。

 原告は「Appleの価格操作により消費者は電子書籍に2億8000万ドル余分に支払った」と主張し、その3倍にあたる合計8億4000万ドルの損害賠償を要求していた。この集団訴訟にはテキサス州をはじめ30州以上が加わっている。

 Appleは2012年4月に、出版大手5社と共謀して電子書籍の価格を不当につり上げたとして米司法省(DOJ)に訴訟を提起された。その後出版5社はDOJと和解し、Appleは昨年7月、地裁において、米独占禁止法に違反したとの判決を受けた(関連記事:Apple、電子書籍の価格操作問題で独占禁止法違反の判決)。

 Appleはこの判決を不服として上訴しており、今回の和解に基づく支払いは上訴の結果次第となる。