写真1●マザーボードの右上にあるのが、今回開発したFPGA搭載のドータボード
写真1●マザーボードの右上にあるのが、今回開発したFPGA搭載のドータボード
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 米マイクロソフトは、FPGAを用いてデータセンターでの処理を高速化する技術「Catapult」を開発した。

 同社の検索エンジン「Bing」のページランク処理の高速化に向けてパイロットプロジェクトを実施。サーバー1台につき1個のFPGAを用意し(写真1)、これらを合計1632台束ねてクラスターを構成。FPGA上のハードワイヤード回路でパイプライン処理することで、ページランク処理のスループットを2倍に増加させることができた。2015年初頭にBingの本番システムに投入する。

 データセンターでの処理にFPGAを導入してビッグデータなどの処理を高速化するというトレンドは、デジタル広告分野など国内のベンチャー企業でも起きている(関連記事:記者の眼「激速インフラ作るネット企業の秘密基地に潜入」)。

 データセンターではノード数を増やすことで性能をスケールアウトさせる方向性が主体だが、CPU単体の動作周波数の向上が頭打ちとなっている中、Catapultのようにプログラマビリティを備えたアクセラレータを導入し、ラックスペース当たりの処理能力を向上させるトレンドが始まりつつあるといえそうだ。

 Catapultは、2014年6月14日から米国で開催されている学会「41st International Symposium on Computer Architecture (ISCA) 」において、Microsoft Researchの研究者らが「A Reconfigurable Fabric for Accelerating Large-Scale Datacenter Services」と題して発表した。