米Amazon.comは現地時間2014年6月16日、同社のアプリ配信ストア「Amazon Appstore」におけるアプリの数が、24万種以上に達したと発表した。ゲームを含むこれらアプリは、さまざまな端末向けに全世界200カ国で提供されており、その数は1年前のほぼ3倍に達したという。

 またAmazon.comは米IDCに依頼して行った、開発者を対象にしたアンケート調査の結果も明らかにした。それによると、同社のタブレット端末「Kindle Fire」シリーズ向けアプリを開発している開発者が得る収益は、ほかのプラットフォーム向けアプリによる収益と同じか、それ以上になったという。このほか同社は、Amazon Appstoreに新規参加した1カ月当たりの開発者数が、1年前のほぼ2倍になったと報告している。

 Amazon.comは、現地時間6月18日に米ワシントン州シアトルでイベントを開催する予定で、その会場でかねて噂されていた自社ブランドのスマートフォンを発表すると見られている(関連記事:Amazon.comが6月18日イベント開催、噂の3D対応スマホを発表か)。そうした状況で、アプリをはじめとするコンテンツの拡充は、ハードウエアとサービスを連携させ収益を得るという同社の戦略にとって重要。今回の調査リポートは、新端末の発表を前にコンテンツの充実をアピールする狙いがあると、海外メディアは報じている。

 米Wall Street Journalによると、Amazon.comは米Appleや米Googleなどのライバル企業と同様に、顧客の生活の中心的な存在になることを狙っている。

 これに先立ち、同社は定額で音楽が聴き放題になるストリーミング配信サービスを米国で開始。4月にはネット経由で配信される映画やテレビ番組を家庭の大画面テレビで視聴する「Fire TV」を発売した(関連記事:Amazon.com、米国で音楽のストリーミング配信開始、Prime会員向けAmazon.com、動画配信の専用端末「Fire TV」、99ドルで発売)。

 米New York Timesなどの報道によると、Amazon.comは6月18日のイベントの出席者に「Mr. Pine’s Purple House」という児童書を送付したという。これは自分の家をほかの人の家と違うものにしたくて、家を紫色に塗った人の話。送付した本には Jeff Bezos最高経営責任者(CEO)のメモが付けられており、「ものごとが少しだけ違うと、世界はよりよい場所になる。あなたもそう思ってくれるでしょう」とある。このことからNew York Timesは、Amazon.comは何か常識の殻を破るようなことに力を注いでいるのではないか、と伝えている。

[Amazon.comの発表資料]