日本IBMは2014年6月12日、サイズが約50Mバイトと軽量なJavaアプリケーション(AP)サーバー「Liberty Profile」を強化し、Java APサーバーの実行環境をCloud FoundryベースのPaaS環境にデプロイできるようにしたと発表した。6月13日から提供する。

 Liberty Profileとは、Java APサーバー「WebSphere Application Server(WAS)」の軽量版(関連記事:日本IBMがWebSphereの軽量プロファイルの機能上限を拡大、EJBも選択可能に)。WASが備える機能のうち基本機能(Servletの実行など)に的を絞ってソフトウエア構成(プロファイル)を軽量化したサブセット版に当たる。必要なJava規格だけを選んでソフトウエアを構成できる。

 APサーバーのサイズは、組み込むJava規格の数によるが、約50Mバイト程度(全機能を組み込んでも80Mバイト程度)。これに対してWASの通常のプロファイルは1Gバイトを超える。軽量化によって実行時のメモリーの使用量や起動時間が減るため、仮想環境へのAPサーバーのデプロイなどに向く。

 今回の機能強化では、Cloud Foundry(関連記事:「IBMのPaaS『BlueMix』はスタートアップに売り込む」)を使って構築したPaaSに対してAPサーバーをデプロイできるようにした。Cloud Foundryが備えるBuildpackの仕組みを使ってCloud Foundry上にJava実行基盤をデプロイできる。このために必要なBuildpackのスクリプト群「IBM WebSphere Liberty Buildpack」をGitHub上に公開している。

 なお、WASには、Liberty Profile専用の低価格なライセンス「Liberty Coreエディション」がある。同ライセンスの価格(税別)は、1PVU当たり3708円から。PVUはCPU処理能力の単位であり、POWERプロセッサーの場合は1コア当たり4PVU。