写真●ガートナー ジャパン エグゼクティブ プログラム グループ バイス プレジデント兼エグゼクティブ パートナーの長谷島眞時氏
写真●ガートナー ジャパン エグゼクティブ プログラム グループ バイス プレジデント兼エグゼクティブ パートナーの長谷島眞時氏
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 IT部門にとって、デジタル化はビジネスに直接的に貢献できる絶好のチャンス――。

 ガートナー ジャパン エグゼクティブ プログラム グループ バイス プレジデント 兼 エグゼクティブ パートナーの長谷島眞時氏は2014年6月11日、ガートナー ジャパンが開催した「アウトソーシング&ITマネジメント サミット2014」でこう強調した(写真)。

 長谷島氏は、「IT部門に新たな飛躍の時が来た」と題したセッションに登壇。企業のビジネスにデジタル化が浸透してきている現状と、デジタル化時代におけるIT部門のあり方などについて解説した。

 冒頭、長谷島氏は世界中のCIO(最高情報責任者)約2400人を対象にした「デジタル化」に関する意識調査の結果を紹介。「自社のビジネスやIT組織が、デジタル化の波に飲み込まれているか」という問いに対して、グローバルでは51%が「該当する」と回答したのに対し、日本では43%だったとした。

 このことについて長谷島氏は、「日本はまだ、ビジネスのデジタル化による脅威を身近に感じられていない段階」と話し、日本企業のデジタル化に対する危機意識の低さを強調。「デジタル化は、新たなビジネスチャンスを生む一方で、何も準備しない企業は、間違いなく競争力が低下する」と、注意を促した。

 長谷島氏は、現在のIT部門の仕事が「『ITの工業化』時代からから『デジタル化』時代に移行している」と説明。これまでIT部門は、システムでビジネスを効率化することを求められていたが、「今後はそれらに加え、デジタル技術を活用して新たなビジネスを創造することが求められる。IT部門にとって、デジタル化はビジネスに直接的に貢献できる絶好のチャンスだ」(長谷島氏)と、強調した。

 長谷島氏は最後に、「これまでのIT部門は、人手不足を理由にしてビジネスの効率化とデジタル化のどちらか一方をしていれば許されていた。だがこれからは違う。どちらか一方を選ぶという選択肢はなく、二つの目標を追わなければならない。そういったことがIT部門には求められている」と述べ、講演を締めくくった。