写真●LACNICのWebサイトにアクセスすると、このようにIPv4アドレス在庫が枯渇したという表示になる
写真●LACNICのWebサイトにアクセスすると、このようにIPv4アドレス在庫が枯渇したという表示になる
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 中南米地域のIPアドレスを管理する組織であるLACNIC(the Latin American and Caribbean Internet Addresses Registry)は2014年6月10日(現地時間)、同組織が管理しているIPv4グローバルアドレスの自由在庫が枯渇(exhausted)したと発表した(写真)。同時に、LACNICからIPアドレスの割り振りを受けている事業者や政府のIPv6への移行が遅れているとし、懸念を表明している。

 LACNICの発表によれば、10日時点でIPv4アドレスの残り在庫は「419万4302個」(/10サイズ、22ビット分)に到達。以降、LACNIC配下の事業者や政府は、あらかじめ決められた厳密な割り当てポリシーに基づき、非常に限定的な割り振りしか受けられなくなるという。

 具体的には、419万4302個のうち209万7150個分に関して、256個(/24)から1024個(/22)までという小さなサイズのアドレスブロックしか割り振りを受けられない。1回割り振りを受けると、次に割り振りを要求(おかわり)できるのは6カ月経過後となる。最終的に、この約200万個のアドレス割り振りが終わると、もう割り振りは受けられなくなる。

 LACNICは、世界に五つある地域インターネットレジストリー(RIR)の一つ。残り四つのRIRのうち、アジア太平洋地域のIPv4アドレスを管理する組織「APNIC」の自由在庫は2011年4月15日に枯渇(関連記事:アジア太平洋地域のIPv4アドレス自由在庫がついに枯渇、国内の通常割り振りも終了)。ヨーロッパ・中東・中央アジア地域を管理する「RIPE NCC」は2012年9月14日(関連記事:RIPE NCCが最後の「/8ブロック」を分配開始、IPv4アドレス完全枯渇に近づく)、北米地域を管理する「ARIN」は2014年4月23日にそれぞれ在庫が/8ブロック相当になり、自由在庫枯渇状態に陥っている。

 IPv4グローバルアドレスの自由在庫が残るのは、アフリカ地域を管理する「AfriNIC」のみ。ただし、今のところAfriNICに関しては枯渇までまだ若干の時間的余裕があり、枯渇時期は「2019年9月12日」となっている(インテックが提供する「IPv4枯渇時計」より)。