クラウド型情報システム大手の米Salesforce.comと、無料通話・メッセージアプリのLINEは2014年6月10日、業務提携を発表した(写真1)。Salesforceが企業向けに提供するCRM(顧客関係管理)基盤ソフト「Salesforce ExactTarget Marketing Cloud」と、LINEが企業の販促用に提供している「公式アカウント」の間でデータ連携できるようにする。
ExactTargetは、主に一般消費者向け商品を扱う企業向けの販促支援ソフト。自社が保有する顧客データやPOS(販売時点情報管理)データ、Webサイトのアクセス履歴、電子メールやTwitter、Facebookなどでやり取りした履歴などを一元管理し、条件に合った顧客を抽出して、告知やクーポンなどを配信できる。通信手段として、電子メールやSMS(ショート・メッセージ・サービス)、SNS、Webサイトなどを利用できる。
今回の提携により、新たにExactTargetからLINEメッセージの送信が可能になる。顧客の属性や行動履歴に応じてメッセージやクーポン画像、スタンプなどを出し分けることもできる。
ExactTargetの利用料金は年間800万円からで、対象顧客データ数やメッセージ配信数などによって変動する。これとは別に、LINE公式アカウントの利用料(月額250万円程度)がかかる。
Salesforce ExactTarget Marketing Cloud SVP&ジェネラルマネージャーのリー・ホークスレイ氏(写真2左)は「顧客と企業の関係を深めるうえで、LINEのようなリアルタイムの通信手段は効果的だ」と述べた。