ネットワールドは2014年6月9日、ハードウエアを刷新して性能を高めた負荷分散装置の新シリーズ「FortiADC Eシリーズ」(写真)を発表、同日出荷を開始した。併売する既存シリーズ「Equalizer LXシリーズ」の上位シリーズに当たり、同一のソフトウエアを搭載しつつハードウエア性能を高めている。両シリーズともに、米Fortinetが買収した米Coyote Point Systemsの製品がベース。
FortiADCおよびEqualizerは、Webサーバー向けの負荷分散装置である(関連記事:ネットワールド、現行ロードバランサー「Equalizer LX」に13Gbpsの最上位機を拡充)。特徴は、負荷分散に必要な機能のみを備えることで低価格化を図っていること。他社の負荷分散装置の中には、負荷分散本来の目的とは異なる機能を充実させている製品もある。
負荷分散に有効な拡張機能を備えることも特徴だ。その一つがVMware仮想サーバーのシャットダウン制御。VMware vCenterと連携し、アクセス負荷に応じて負荷分散の対象となる仮想サーバー機の台数を動的に増減させられる。
負荷分散装置の基本機能としては、Webサーバー向けの機能を一通り備える。セッション維持はIPアドレスとCookie、負荷分散アルゴリズムはラウンドロビンに加え、静的/動的重み付けや最小コネクション数など各種の手法を利用できる。サーバーの動的重み付けでは、物理サーバーだけでなく仮想サーバーの負荷も動的に調べられる。
今回のFortiADCは、Equalizerと同一のソフトウエアを採用しつつハードウエア性能を高めた上位シリーズに当たる。また、FortiADCに合わせてFortiADC/Equalizer共通のソフトウエアもバージョンアップしており、VMware vCenter連携を強化した。具体的には、重み付けなどのルールをスクリプトを使って細かく記述できるようにした。
FortiADCとEqualizerのラインアップは表の通り。
モデル名 | 価格(税別) | スループット | 出荷時期 |
---|---|---|---|
Equalizer E250GX | 49万8000円 | 512Mビット/秒 | 2009年9月 |
Equalizer E370LX | 132万円 | 4.8Gビット/秒 | 2013年5月 |
FortiADC 300E | 152万8000円 | 4.8Gビット/秒 | 2014年6月 |
Equalizer E470LX | 240万円 | 8Gビット/秒 | 2013年11月 |
FortiADC 400E | 327万6000円 | 8Gビット/秒 | 2014年6月 |
Equalizer E670LX | 351万7000円 | 10Gビット/秒 | 2013年11月 |
FortiADC 600E | 480万6000円 | 12Gビット/秒 | 2014年6月 |
Equalizer E970LX | 559万5000円 | 13Gビット/秒 | 2013年11月 |
FortiADC 1000E | 764万6000円 | 15Gビット/秒 | 2014年6月 |