米国の市場調査会社、eMarketerが現地時間2014年6月5日に公表したインターネット広告市場に関する調査によると、2014年の米国におけるモバイル広告支出額は177億3000万ドルに達する見通し。このうちモバイル検索広告の支出額は90億2000万ドルで、モバイル広告全体の51%を占めると予測している。

 米国のモバイル検索広告は今後も伸び続け、2015年には133億2000万ドル、2018年には284億1000万ドルとなり、パソコンを含むインターネット検索広告全体に占める割合は85.9%にまで拡大すると同社は見ている。

 モバイル検索広告の企業別売上高シェア順位は、米Googleがトップで、そのあと米YP、米Yelpと続く。このうちGoogleは2位以降を大きく引き離している。ただし、Googleのシェアは低下傾向にあるという。

 2012年に82.8%あったGoogleのシェアは昨年68.5%となり、今年は65.7%になるとの予測だ。さらに2016年には64.2%へ低下するとeMarketerは見ている。同社によると、その要因はアプリ内検索の利用増大。スマートフォンやタブレット端末においては、Webブラウザーを使う検索から特定のアプリを使う検索へと利用動向に変化が表れているという。例えば、旅行関連の情報であればKAYAK、求人情報であればIndeed、ショッピングであればAmazonといったように、用途に応じたアプリによる検索が増えている。

 eMarketerによると、とりわけ伸びているのが、地域レビューサイトのYelp。同社のモバイル検索広告収入は昨年311%増えたが、今年も136.0%増の1億1940万ドルと、好調に推移するという。米モバイル検索広告市場における同社の売上高シェアは1.3%と規模は小さい。だがYelpのモバイル検索広告収入は2016年にほぼ3倍となり、自社の検索広告収入の3分の2近くを占めるまでになるとeMarketerは予測している(関連記事:米口コミ情報サイト「Yelp」、日本でのサービスを開始)。

[eMarketerの発表資料]