写真1●「Pepper」。高さ1210×奥行き425×幅485mmで、重さは28kg
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写真2●右からソフトバンクモバイルの孫正義社長兼CEO、仏アルデバラン・ロボティクスのブルーノ・メゾニエCEO
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写真3●発表会に参加したゲストとの記念撮影が行われた。左から宮迫博之さん、橋本環奈さん、樋口可南子さん、上戸彩さん、ダンテ・カーヴァーさん
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写真4●Pepperの動作をプログラミングするツールの1つ。箱形のコマンドを並べ、条件分岐などを指定するだけでアプリケーションを開発できる。ほかに、PythonやC++などの言語にも対応している
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写真5●ソフトバンクショップでの会話をイメージしたデモが行われた。実際に店舗に設置した際は、30分おきのショーの合間に、来店者がPepperと自由に会話できる時間帯も設けるという
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 ソフトバンクモバイルは2014年6月5日、感情認識機能を備えた人型ロボット「Pepper」を2015年2月から19万8000円(税別)で発売すると発表した。開発では、ソフトバンクの関連会社である仏アルデバラン・ロボティクスが協力。生産は台湾フォックスコン・テクノロジー・グループが担当する。

 Pepperは、一般家庭に導入することを想定したパーソナルロボット。身長121cmで、2足歩行ではなくホイールで移動する。最大速度は時速3km。胸元に10.1型のタッチディスプレイを搭載する。

 ソフトバンクモバイルの孫正義社長兼CEO(最高経営責任者)は、「感情移入しやすいのはやはり人型ロボット。ただ、2足歩行ロボットにすると、30分~1時間しかバッテリーが持たない。あえて、長時間安定的に動ける形状にした」と外観のコンセプトを説明した。Pepperは、12時間以上稼働させることを想定している。発表会では、子供の相手をする「ベビーシッター」や、パーティなどで人々を楽しませる「パーティープロモーター」などの利用例を示した。

 Pepperの特徴は、感情認識機能を世界で初めて搭載したこと。頭部には、マイク4台、カメラ2台、3D(3次元)センサー1台を搭載する。これによって、人の表情や声のトーンから、笑いや怒りなどの感情を認識する。

 人との距離や、声のする方向も識別できる。アルデバラン・ロボティクスのブルーノ・メゾニエCEOは、「音声認識だけでなく、感情を理解することで、最適な表現で人々とやり取りすることができる。ロボットが音で返事をするだけでなく、最適なジェスチャーを組み合わせることで、温かい雰囲気を持つようになる」と、感情機能を持たせるメリットを説明した。

 Pepperの動作ソフトウエアは、アルデバラン・ロボティクスが2005年から開発を進めている、小型人型ロボット「NAO」のソフトがベース。Pepperも「NAOqi(ナオキ)」という独自のOSで動作する。

 今後開発者向けに配布されるSDKを使用すると、動きや会話を組み合わせた動作プログラム「ロボアプリ」を作成できる。2014年9月には、技術使用やロボアプリの開発方法を説明する「テックフェスティバル」を東京で開催する予定だ。

 「目指すのは感情を理解し、自ら動くロボット」と孫社長は言う。人間がプログラムした行動をそのまま実行するのではなく、ロボット自身の意思によって適切な行動が取れることを目指す。そのために、「何をすれば人が喜ぶのか」といったデータを個々のPepperが集め、インターネット上の「クラウドAI」サーバーに集積する仕組みを導入する。世界中のPepperからデータを集めることによって、加速度的に学習が進むという。