写真●シマンテック、プロダクトマーケティングマネージャの長島理恵氏
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 シマンテックは2014年6月5日、Exchange Serverのメールを容量無制限でアーカイブ(長期保管)するクラウドサービス「Symantec Enterprise Vault.cloud」を発表した(写真)。6月中に提供を開始する。大容量メールボックスとして利用できるほか、e-Discovery(電子情報開示)やメールサーバーのBCP対策などに利用できる。

 同社のメールアーカイブソフト「Enterprise Vault」を、メール保存用のストレージ領域と合わせてSaaS型で提供するサービスである(Enterprise Vault旧版の関連記事:「国内での訴訟対応にも有効」、シマンテックがアーカイブソフトの新版)。月額または年額の定額制で、容量無制限/無期限で利用できる。価格(税別)は、初期費用が16万円で、250~499人時に1人当たり年額5208円、500~999人時に1人当たり年額4860円、など。

 Enterprise Vault.cloudは、Exchange Server(またはOffice365のExchange Online)が備えるメールアーカイブ機能(ジャーナリング機能)を利用してメールデータを取得し、これをアーカイブ保存する(今後、Notes/Dominoのメールもアーカイブできるようにする予定)。特徴は、アーカイブしたメールに対する検索性や操作性を高めていることである。同一メールを排除する重複排除機能も備えており、ストレージ費用の削減に役立っている。

Outlookの画面でアーカイブメールを検索/閲覧

 アーカイブメールを検索/閲覧するインタフェースは、大きく二つある。一つは、エンドユーザーが過去のメールを検索/閲覧するための「Personal Archive.cloud」である。もう一つは、訴訟時に証拠メールを素早く見つけ出すe-Discovery(電子情報開示)用の「Discovery Archive.cloud」である。

 エンドユーザーが過去のメールを検索/閲覧する際には、メールクライアントソフトのOutlookまたはWeb画面を利用できる。Outlookを使うと、あたかも直近のメールを取り扱うように、アーカイブ済みの過去のメールを扱える。Web画面についてはモバイル端末(iPhone/iPad、Android)向けも用意している。

 製品ラインアップは3種類を用意した。一つめは、アーカイブと検索/閲覧の基本機能(Personal Archive.cloudとDiscovery Archive.cloud)を提供する標準サービス「ENTERPRISE VAULT CLOUD」である。

 二つめは、災害などによって企業のメールサーバー(メール格納サーバー)が停止した際に、メールボックスのデータを引き継いで代替メールサーバーとして機能できるようにするサービス「MAILBOX CONTINUTY」である。同サービスを使うためには別途、迷惑メール対策などのセキュリティ機能を備えたメールサーバーサービス「Email Security.cloud」の契約が必要。

 三つめは、標準サービスのENTERPRISE VAULT CLOUDとMAILBOX CONTINUTYをセットにした「ENTERPRISE VAULT CLOUD Enhanced」である。