早稲田大学電子政府・自治体研究所(所長:大学院アジア太平洋研究科 小尾敏夫教授)は2014年5月27日、「2014年世界電子政府ランキング」の調査結果を発表した。1位は2年ぶりに返り咲いた米国、僅差の2位はシンガポール、3位には韓国が入った。日本は前年の6位から順位を一つ上げて5位。政府CIOの設置や国家IT戦略「世界最先端IT国家創造宣言」に伴う施策が評価された。

 同ランキングは2005年から調査を始めて、今回が10回目。ICT先進国を中心に61カ国・地域を対象に調査を実施した。評価指標としては、これまでのネットワークインフラ、行政管理最適化、オンラインサービス、ホームページ、政府CIO、電子政府振興、市民の電子参加の7項目に、オープンデータとサイバーセキュリティを加えた計9項目とした。

 日本は2006年・07年は4位だったものの、その後順位を下げ、2012年には過去最低の8位に沈んだ()。今回は行政管理最適化と政府CIOの部門別指標で1位となったほか、オープンガバメント(4位)、ホームページ(6位)、電子政府振興(6位)などの高評価がランクアップにつながった。

表●早大電子政府ランキングの上位10カ国の変遷
順位 2012年 2013年 2014年
1 米国、シンガポール シンガポール 米国
2 ―― フィンランド シンガポール
3 韓国 米国 韓国
4 フィンランド 韓国 英国
5 デンマーク 英国 日本
6 スウェーデン 日本 カナダ
7 オーストラリア スウェーデン エストニア
8 日本 デンマーク、台湾 フィンランド
9 英国 ―― オーストラリア
10 台湾、カナダ オランダ スウェーデン

 ランキング調査には、早大に加えて、米ジョージ・メースン大学、マカオの国連大学、イタリアのボッコーニ大学、中国の北京大学、シンガポール国立大学など提携する世界10大学の専門家グループが参加。関係国政府のほかに、経済協力開発機構(OECD)、アジア太平洋経済協力会議(APEC)、国際電気通信連合(ITU)、世界銀行、国連などとの意見交換によって取りまとめた。

[「早稲田大学世界電子政府ランキング調査 2014」の発表資料(PDF)