米国家安全保障局(NSA)は世界的な監視活動を通じて、膨大な人数の画像を入手していたと、米New York Timesが現地時間2014年5月31日に報じた。

 米政府による情報収集活動を告発した元米中央情報局(CIA)職員のEdward Snowden容疑者から入手したNSAの極秘文書によって分かったこととして伝えている。

 それによると、NSAは電子メールやテキストメッセージ、ソーシャルメディア、ビデオ会議といったさまざまなコミュニケーションを傍受して多数の画像を取得し、世界中の監視対象者を特定するための高度な顔認識プログラムに使用していた。

 2010年の資料には、「我々が追跡しているのは従来ながらの通信だけではない。監視対象者がネット上の日常的活動において残した手がかりをデジタルで活用し、詳細な対象特定に役立てるための完全装備のアプローチをとっている」と記載されている。

 取得する画像数は1日当たり数百万点にのぼり、そのうち顔認識に使える品質は5万5000点ほどだという。

 これまで世界中で何人の画像が収集されたか、米国人がどれくらい含まれているかは定かではない。NSAの広報担当者はNew York Timesの取材に対し、米国人の運転免許やパスポートの写真データベースにアクセスしたことはないと述べたが、「Facebook」などSNSを通じた顔画像の取得についてはコメントしなかった。