インテルは2014年5月30日、IT基盤技術への取り組みに関する説明会を開催した。Twitterのツイート分析やSAP HANAにおける新型Xeonの有用性をアピールしたほか、九州電力やブックオフコーポレーションなどでの事例を紹介。コスト削減や業務効率の改善には最新技術の活用が有用と訴え、ストレージ、ネットワーク、サーバーを抽象化してアプリケーションの要件に合わせて最適に割り振る「SDI(ソフトウエア・デファインド・インフラストラクチャー)」にさらに注力するとした。

写真1●インテル常務執行役の平野浩介氏
写真1●インテル常務執行役の平野浩介氏
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 説明会の冒頭に登壇したのはインテル常務執行役の平野浩介氏(写真1)。「これまでビッグデータをいかに活用するかが話題だったが、ここへ来てようやくお金を生むようになってきた」として最近の動向と今後の見通しを示した。

 パソコンの出荷台数は2010年から2013年にかけて横ばいだったが、スマートフォンやタブレットが大幅に増加し、国内のモバイル機器の出荷台数は2010年の4000万台弱から2013年は6000万台弱と急伸した。そのモバイル端末の普及と歩調を合わせて、サーバー向けCPUの出荷量も増えている。

 IoT(Internet of Things)の普及も急速であり「2020年には確実に500億台になる」(平野氏)。車、工場の工作機械、デジタルサイネージ、監視カメラなどがデータセンターに接続されると、それらからのデータを処理するために膨大なコンピューティングパワーが必要になる。

 平野氏は、1台のサーバーでまかなえるデバイスの数として、スマートフォンは400台、医療用のウエアラブル端末は100台、工場の機械は40台、デジタルサイネージは20台などと例示(写真2写真3)。「末端の機器の増加に合わせて、従来型のラックサーバーやストレージ機器、ネットワークスイッチをそのまま増設するのは、ニーズに応えきれないし、膨大なコストがかかる」と指摘した。

写真2●1台のサーバーが対応できるデバイスの数
写真2●1台のサーバーが対応できるデバイスの数
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写真3●IoTによるデバイス増加に合わせてデータセンターのリソースも増える
写真3●IoTによるデバイス増加に合わせてデータセンターのリソースも増える
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写真4●インテルが今後求められるとするデータセンターの姿
写真4●インテルが今後求められるとするデータセンターの姿
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 その解決策としてインテルが掲げるのがSDIだ。サーバーやストレージ、ネットワーク機器を抽象化して、アプリケーション(用途)に合わせて自動でリソースを割り振る。機器を増設する従来型のデータセンターでは、新規サービスの提供を始めるまでに月単位の時間がかかるが、SDIベースのデータセンターでは分単位になる(写真4)。「拡張性と柔軟性、エネルギーのコスト全てが従来型より優れている」(平野氏)。