写真●SpamGuard POP/IMAPサーバ保護オプションの概要(出典:デージーネット)
写真●SpamGuard POP/IMAPサーバ保護オプションの概要(出典:デージーネット)
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 デージーネットは2014年5月30日、メールサーバー向けの迷惑メール対策ソフト「SpamGuard」のオプションとして、SMTPサーバーの流量制限だけでなく、迷惑メール送信者によるPOP/IMAPサーバーへのアクセスを防止できるようにする「POP/IMAPサーバ保護オプション」(写真)を発表した。6月初旬から提供開始する。ユーザー認証を経た迷惑メール送信が増えていることを受けたもの。

 前提となるSpamGuardとは、既存のメールサーバーソフト(sendmail、Postfix、qmail)と組み合わせて使う、迷惑メール対策ソフトである。対策手法はスロットリング(流量制限)である。SMTPでアクセスしてきたメール送信者に対して、一定時間当たりの送信メール数を制限する。これにより、短時間に大量のメールを配信する迷惑メール送信者を効果的に排除できる。

 2012年6月からは、流量制限の対象を拡大し、メール送信時のSMTP接続の際にユーザーID/パスワードでユーザーを認証するSMTP認証においても、流量を制限できるようにした。それまでの送信元IPアドレスによる流量制限に加え、ユーザーIDベースで流量を制限できるようにした。背景には、SMTP認証を通過したユーザーIDから迷惑メールが送信される現象が増えているという状況がある。

ユーザー情報を共有してPOP/IMAPアクセスも制限

 今回追加したPOP/IMAPサーバ保護オプションは、SMTP認証を経た迷惑メールの送信事例が増えていることを受けた機能拡張の一つであり、新たにPOP/IMAPサーバーへのアクセスもユーザーIDベースで禁止できるようにするものである。POP/IMAPサーバーから問い合わせを受けたSpamGuardが、迷惑メール送信者(メール流量が制限を超えたユーザー)のユーザーIDを伝える仕組み。連携可能なPOP/IMAPサーバーとして、まずはDovecotを利用できる。この他のソフトについては、順次対応予定。

 SpamGuardとPOP/IMAPサーバーがユーザーID情報を共有することで、効率よく迷惑メールの送信を削減できるとしている。SMTPで大量に送信しているユーザーIDによるPOP/IMAPサーバーへのアクセスを禁止できるほか、反対に、POP/IMAPサーバーに対して異常な接続を繰り返すユーザーを発見して、このユーザーからのメールサーバーへのアクセスを禁止するといった運用も可能である。

 価格(税別)は、SpamGuardがサーバー1台当たり年額30万円。POP/IMAPサーバ保護オプションの価格は未定だが、SpamGuard本体のライセンス価格よりも安くなる見込み。また、ソフトウエアライセンスとは別に、現状のメール流用を踏まえた上で流量制限のパラメーターを提案する導入コンサルティングサービスを50万円で提供する。