米IDCが現地時間2014年5月29日に公表したタブレット端末市場に関する調査によると、2014年の世界における出荷台数(2-in-1型も含む)は2億4540万台にとどまる見通し。

 同社は先に公表していたリポートで同年の出荷台数が2億6090万台になると予測していた。だが今年第1四半期(1~3月)の需要が予測を大きく下回ったこと、その後も難しい局面が懸念されることから、予測を下方修正したという。これにより2014年における出荷台数の前年比伸び率は12.1%にとどまる見通し。これは先の予測値だった19.3%や、2013年実績の51.8%を大幅に下回る。

 同社によると、これには2つの要因がある。1つは買い替えサイクルの長期化。とりわけ大手メーカーの高価格端末を所有している消費者は、IDCが当初予想していたよりも長く続く既存端末を持ち続ける傾向がある。また新規購入の際、古い端末を“お下がり”として家族のほかのメンバーに譲る人が多いという。

 もう1つの要因は、“ファブレット”とも呼ばれる、画面サイズが5.5インチ以上の大型スマートフォン。ファブレットの台頭により従来タブレットでしかできなかった作業がスマートフォンで可能になり、タブレットの購入を控える人が増えたという。

 同社の統計によると、昨年第1四半期に4.3%だった、スマートフォン出荷台数に占めるファブレットの割合は、今年第1四半期に10.5%に上昇した。今年第1四半期におけるファブレットの出荷台数は3010万台に達したという。

 IDCは、今後業界が大画面タブレットに回帰することで市場は再び活気づくと予測している。米Microsoftが先頃発表した12インチタブレット「Surface Pro 3」のような製品が重要な役割を果たすという。Windowsベースのタブレットのシェアは2018年に現在の2倍になるとIDCは予測している(関連記事:[詳報]大型化したSurface Pro 3、「ノートPCを完全に置き換えるタブレット」)。

 またIDCは大画面タブレットへの回帰はメーカーにとって歓迎すべき変化だとも指摘している。同社のアナリスト、Jitesh Ubrani氏によると、これら大画面端末の平均販売価格は、8インチ以下の製品のほぼ5割高い水準を維持するという。

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