写真●第10回会合で「かりゆし」姿で挨拶する山本一太IT政策担当大臣
写真●第10回会合で「かりゆし」姿で挨拶する山本一太IT政策担当大臣
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 政府のIT総合戦略本部は2014年5月29日、「パーソナルデータに関する検討会」の第10回会合を開催し、当初よりも検討会の開催を2回増やす予定を明らかにした。6月上旬の第11回会合で大綱案の事務局案を示し、6月中旬の第12回で大綱案の検討会案を議論する。6月下旬にIT総合戦略本部の大綱を決定し、7月に大綱のパブリックコメントを行う。

 事務局は制度改正について改めて説明。「本人の同意がなくてもデータを利活用可能とする枠組みの導入」「法律では大枠のみを定め、具体的な内容は政省令、規則及びガイドライン並びに民間の自主規制により対応」「独立した第三者機関を整備する」という3つの柱に基づいて合意事項をまとめるとした。

 検討会では「パーソナルデータの利活用を進める視点で進めてもらいたい」という意見に対し、「同意なしの第三者提供できるのは利活用の可能性は大きいが、一方で副作用が大きい」として、同意を取って進めてきた事業者とのバランスが必要という意見もあった。

 さらに事務局は、これまでの議論を踏まえた論点整理表を示した。対応方針として、第三者機関の設置といった合意事項については「監督・関与の対象を一般の個人情報に拡大する」などと表記した。その一方で、「引き続き検討する」「将来の課題とする」として合意していない点を列挙した。

 そのうえで検討会では、取得された個人情報について本人による開示、訂正や利用停止などの「請求権」を設ける点について議論。濫訴の恐れといった企業の懸念を訴える意見に対し、欧州や米国に比べて日本だけ請求権がないのは問題だとする意見が対立した。そこで次回会合までに請求が認められるための要件の案を示して議論するとした。