NTTドコモは2014年5月29日、次世代の動画圧縮技術「H.265/HEVC1」や、ストリーミング技術を活用した効率的な動画配信を実現するためのガイドラインを動画コンテンツプロバイダー向けに作成したと発表した。

 HEVCはNTTドコモの2014年夏モデルのスマートフォンとタブレットが対応となっており、2014年5月15日には動画サービス「dアニメストア」でも、HEVCに対応したコンテンツの提供も始まっている。従来の動画圧縮方式「H.264/MPEG-4 AVC」に対して、約半分に動画データ量を圧縮することが可能という。

 ガイドラインでは、背景や技術動向を解説したあと、配信の指針を示し、ドコモの運用事例を紹介する形になっている。指針では、コンテンツビットレート(画質)の最適化、配信ビットレート(体感品質)の最適化、その他の最適化手法(WEBサイトにおける静止画の工夫など)を述べる。例えば、画質の最適化では、H.264/AVCとH.265/HEVCについて、それぞれ低・中・高の三つの画質の解像度・ビットレートを提案する。

 体感品質の最適化では、HTTPストリーミングとHTTPアダプティブストリーミング(MPEG-DASHとHLS)について、モバイル環境における推奨の運用方法を記述する。

 高品質で快適な動画サービスを提供するためには、携帯端末とネットワークの性能を最大限に引き出すだけでなく、動画コンテンツプロバイダーの配信方法の最適化が欠かせず、ガイドラインを公開したという。ガイドラインは、Jストリーム、ドワンゴ、フォアキャスト・コミュニケーションズ、NTTぷららの協力で作成した。


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